一級建築士にも得意分野が有る

この処,一級建築士の不祥事がメディアに結構出て信用が揺らいでいますので,少し一級建築士についてのお話を致します。

日本では一級建築士の資格を取るには大学の建築学科を卒業して建築関係の実務を2年経験しないと受験資格が与えられませんので卒業後3年目に受験できます。

大学の建築学科を卒業されていない方はまず二級建築士を取得して実務を4年経験してから5年目に受験資格が与えられます。

私が一級建築士の試験に合格して一級建築士登録を行なったのが昭和51年で登録番号も5桁でしたが今や6桁でもう直ぐ登録番号が30万になろうとしています。

一級建築士の登録は国である国土交通省(旧建設省)ですが,二級建築士の登録は地方自治体です。

さて,日本では一級建築士は建築家(設計者)とは限りません。設計者(意匠,構造,設備)だけでなく施工者(ゼネコン勤務者)や建材メーカー,出版社にも一級建築士はいます。

10数年前「グァム」でコンドミニアムの設計・監理を行なった時に私は日本の一級建築士の資格しか持っていませんでしたので,現地のアメリカの「建築士」(ARCHITECT)の資格を持っているローカルの設計事務所を外注事務所として協力してもらいました。

当時,私はまだ若かったのでアメリカのARCHITECT(アーキテクト)の資格を取りたいと思い,調べましたら,アメリカの場合は「アメリカ国籍」であるか「グリーンカード」(永住権)を持っていませんと受験資格さえ無いので諦めました。またアメリカのARCHITECTは建築の設計・監理者のみが持てる資格で登録した州でしか使えません。

先程も申し上げた様に日本の一級建築士は建築の設計・監理者のみとは限りません。日本国中どこでも資格が通用致します。また受験資格も「日本国籍」や「永住権」が無くても良いのです。

日本では我々,一級建築士の仲間同士では「一級建築士」の資格は「足の裏の御飯つぶ」と言って自嘲しています。そのこころは「取らないと気持ち悪いし,取っても食えない」です。

ここで,皆様に注意して頂きたいのが,マンションの購入時点に一級建築士の友人に図面チェックを依頼する時です。

その友人の一級建築士の方が建築の設計・監理やゼネコンで施工を行なっている方なら良いのですが,それ以外の仕事をしている方ですと「ちょっとね」です。

また,更に建築の設計・監理やゼネコンで施工を行なっている方でもマンションの設計・監理や工事の経験のない方も沢山おられますのでその辺を良く確かめてから御願いいたしませんと謝礼金が無駄になります。

一級建築士で設計・監理をしていても「事務所ビル」「商業施設」「公共施設」「病院」「工場」等と得意分野が有りマンション(共同住宅)は一回も設計した事が無い設計者は結構おりますのでその確認をしてから御願いした方が更に良いと思います。

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