100点満点の物件は無い-3

今回も前回,前々回の続きで「100点満点の物件は無い」のお話をいたします。

前回までは「100点満点の物件」は立地が良く,売主の会社の体質も良く,設計事務所の評価も良く,施工会社(ゼネコン)の会社体質が良くて,更に販売価格も妥当であるというところまでご説明致しました。

今回は,マンション評価の一番大切な「本丸」であるマンションそのものの建築的な評価です。

マンションの販売事務所に置いてある設計図書には「意匠図」「構造図」「電気設備図」「給排水衛生設備図」「空調換気設備図」と5分野の設計図があります。これが全て揃っていませんと「100点満点の物件」の評価はできません。

建築家(設計者)と称される一級建築士で意匠設計が専門の方は「意匠図」「構造図」はチェック可能でもその他の「電気設備図」「給排水衛生設備図」「空調換気設備図」等のチェックが出来ない方が結構いらっしゃいます。

建築に素人の方が設計図書を見てもお判りになるのは「意匠図」の中の「断面図」や「住戸平面詳細図」位だと思います。

ですので,これから私が「100点満点」ではないがここまでの設計になっていれば購入しても良い設計基準を10点列挙致します。

(1)外部階段が鉄筋コンクリート製である事。

(2)住戸の外壁が全てダブル配筋になっている事。…一部除くは論外です。(高さ60メートルを超える超高層マンションは除く。)

(3)住戸の玄関扉高さやLD以外の部屋の窓上端高さが2メートル以上である事。

(4)住戸内の仕様が「二重天井」「二重床」になっている事。

(5)住戸の窓ガラスは全てペアーガラスになっている事。

(6)住戸内の間仕切り壁に貼ってあるプラスターボードの厚みが12.5ミリ(PB12.5)である事。

(7)上記(4)の間仕切り壁に貼ってあるプラスターボードが二重床下のスラブ面から二重天井上のスラブ面までしっかり隙間なく貼ってある事。

(8)トイレの便器の先端から正面の壁,或いは扉の把手(レバーハンドル)までの離隔寸法が55センチ以上である事。

(9)住戸内の排水竪管の材質が鋳鉄管で遮音シートを巻いて遮音対策してある事。

(10)外廊下に面した部屋の面格子が付いている窓の網戸が素人でも外せる様になっている事。

以上の10点は最低条件ですがここまでの仕様になっていればまず大丈夫です。

これらは素人の方が設計図を御覧になっても何処に書いて有るのかが判りませんので販売員の方に御聞きしてメモ書きにしてもらう事です。書面で受け取ればのちのち違っていれば証拠になります。

「100点満点の物件」は皆無に等しいですが,立地,売主,設計者,施工者(ゼネコン)が良く,販売価格が妥当で今回お話致しました物件そのものの設計基準を10点全てを満たしていればまず間違いは無いと思います。

今後のマンション選びの参考にして下さい。

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