合法だが疑問を持つ構造-2

先日行いました「現地同行」チェックでのお話を致しましょう。

物件の売主は超大手不動産会社が2社,中堅不動産会社が1社,計3社のJV(ジョイントベンチャー)物件でした。

依頼主(購入予定者)と物件の最寄駅で待ち合わせをし,御会いしてから近くの喫茶店で物件資料一式を拝見させて頂きました。

物件資料で分かる所はその場で私のチェックリストに記入致します。
物件資料でのチェックではかなり良好な物件でチェックリストの点数が高かったのです。

そして,マンションの建つ現場に行き周辺のチェックをして販売事務所に向かいました。

販売事務所ではまずモデルルームをチェック致しました。
室内はさすが超大手不動産会社のJV物件ならではの出来でしたが,バルコニーに出て唖然と致しました。

バルコニーにエアコンの屋外機が2段積みになっていて屋外機の排気ファンから30センチ強のところに外気を取り入れるレジスター(給気口)が設置されていました。
まずその事を依頼者に報告致しました。

上記の件の良くない点はこのコラムの24号に詳しく書いてありますのでそちらをお読み下さい。

モデルルームを出てから嫌な予感がしてきました。

依頼者所有の物件資料では分からない所は販売事務所で設計図書を見てチェックです。
早速,構造図をチェック致しましたら予感が的中致しました。

前回お話致しました物件と同じ構造計算方式を用いており「合法」ではありますが極めて疑問が残る構造体(骨格)でした。

前回お話した物件は建物の妻側(両脇)の壁が「鉄筋コンクリート造(ダブル配筋)」でバルコニー側,外廊下側の壁は「ALC版」(軽量気泡コンクリート板)を採用して建物荷重を軽くしていました。

「ALC版」のディメリットについてはこのコラムの13号,57号に詳しく書いてありますので御参照下さい。

今回チェックした物件の外壁は全て「鉄筋コンクリート造(ダブル配筋)」でとても良いのです。しかし建物荷重は重くなりますので柱の「主筋」(縦に通っている鉄筋)は前回物件よりは若干太くなるはずです。

構造図の「柱リスト」を開き柱の断面を見ましたら14階建てですが,「主筋」の太さを見ましたら不安になりました。柱の「主筋」本数の内の1/4の本数の鉄筋の太さが異常に細いのです。前回と全く同じ太さでしたのでもう友人の構造設計者へは電話致しませんでした。

「合法」ですが震度5の地震に耐えられるかがかなり疑問ですと依頼者に報告致しました。

この物件の構造設計は超大手建設会社が行っていました。どうも,施工会社の設計物件にこの傾向が多い様です。

マンションは高額な買い物です。この様な物件を購入したら「合法」故(ゆえ)に悲劇になりますので,専門家にチェックしてもらった方が良いと思います。

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