住戸内の扉は内開きが原則

マンションのモデルルームで設計者の技量がすぐ判断できる所があります。

それは住戸内の木製扉が内開き扉か外開き扉になっているかです。

内開き扉とは部屋の内部側に開く扉の事で,外開き扉とは部屋の外側に開く扉です。

部屋の扉の開き勝手は「内開き」が正解です。これは設計の「イロハ」です。

但し日本のマンションでは便所の扉だけは外開きにしています。これは日本の住戸の便所は狭いので,もし中で人が倒れた時に「外開き」でないと救出できないので20数年前位からその様になりました。

住戸内の他の部屋は全て「内開き」が正解です。そうでないと部屋から出る際,扉を廊下側に開けた時に廊下を歩いている人や子供にぶつかり危険です。

本来,開き扉は西洋から来た物で日本の住宅は全て引戸でした。

西洋では何故,開き扉を「内開き」になったのかをお話致しましょう。

西洋は家がよく襲われたからです。

部屋の扉が「内開き」ですと暴漢が侵入しようとした時に,部屋内から扉を押して開けられない様に抵抗できる為にその様になったと言われています。扉が開かない様に押して抵抗するのと,把手(とって)を引っ張って抵抗するのでは明らかに押して抵抗した方が自己防衛し易いのです。

しかし,マンションの住戸の玄関扉は外開きと法規で決められています。これは住戸内部で火災が起きた時に非難する時に非難方向に開く様にする為に外開きが義務付けられました。

マンションの玄関は狭いので例え「内開き」が万が一,法的にOKでも「外開き」にしないと,土間にサンダルや靴を置いておけませんね。

ただ私が設計者としてどうしても許せないマンションの住戸が有ります。

それは,リビング・ダイニングルームの出入口扉が「外開き」の住戸です。このケースはとても使い辛く,危ないです。

リビング・ダイニングルームの出入口扉だけは絶対に内開きの住戸を選んで下さい。

この部屋の扉を平気で外開きにしている設計者は「設計のイロハ」を知らない人ですので,そういう設計者が設計したマンションは至る所で設計の配慮が足りません。

また,その様な未熟(若いとは限りません)な設計者に設計を依頼する売主も要注意です。

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