石の床の注意点

最近中級マンションでも良く見かけますのが住戸の玄関の土間の床に石(本石)を貼ってある物件です。

見栄えは高級マンションの住戸玄関の様で良いのですが,使用している石の種類に問題が有る物件が多いのです。

建築で用いる石は大きく分けて2種類です。
御影石(みかげ石)と大理石です。

御影石は吸水率がゼロに近いので問題は無いのですが価格が高いので,高級マンションにしか採用できません。

大理石は御影石に比べて吸水率が高いので白い大理石に赤インクを垂らして放置しておくと石の中に滲みこんで赤い模様になってしまいます。

私が大学を卒業し,設計事務所に入所して最初に教育されたのが「大理石は水がかかる所には使用不可」でした。

ですので,住戸玄関の土間が大理石貼りですと,雨の日に泥水の付いた靴で玄関に入ってそのままにしておきますと滲みこんで白い大理石が「ブチ」の模様になってしまいます。
白い大理石貼りの玄関土間の場合はこまめに乾いた「ウエス」(ボロ布・雑巾)でよく拭く事が大切です。

近年の床用の大理石は1枚の大きさが30センチ~45センチ角位で表面に樹脂を塗って吸水を防いでいますが,問題は木口(石の切断面)です。ここは樹脂を塗っていないのでここから泥水等が石の中に吸収されてしまうのです。表面の樹脂加工も長年経つと塗ってある樹脂の塗膜が薄くなり剥げてきて同様の現象が起きます。

たまに,高級マンションで「トイレ」や「洗面室」の床が大理石貼りの物件が有りますが見栄えは良いですが先程申し上げた現象が起こりうるので私は賛成しかねます。そういう物件を購入致しましたら浴室の出入口と洗面化粧台の所に大きめの吸水率の高い「バスマット」を敷く事をお薦め致します。

建築設計界では大御所の著名な建築家が今から30年位前に自邸を設計し,床を全て石貼りにし,住んで4~5年で床の石を全て剥がして他の建材に貼り変えたという有名な話があります。

理由は「床が固いと疲れる」という奥様の不満の声でした。

「住まい」である「住宅」の床に石が貼ってある場合はその辺の事も充分考慮して下さい。

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