トイレを見れば設計者の力量がわかる-3

設計者の細かい配慮はトイレを見れば一目瞭然ですので今回もトイレの話を致しましょう。

ちょっと高額なマンションのトイレはファミリータイプのマンションのトイレより若干広いので,小さい洗面器(手洗い器)が付いています。便器の後のタンクの上で手を洗うのは私の知る限り日本だけです。良く言えば水道の水の無駄遣いをしない為に良いとも言えますが何ともシャビー(みすぼらしい)な感じです。住宅のトイレ内には小さい洗面器は必要だと思います。

ファミリーマンションのトイレに小さい洗面器を全戸(126戸)に付けたのは昭和59年(1984年)に私が設計した「コートハウス城北中央公園」でした。自慢話はこれ位にして本題に入ります。

住戸のトイレに洗面器が有ると来客が手を洗いたいと言っても洗面所に通さずにトイレを使ってもらえるので便利です。

ここで,トイレ内の洗面器の上に鏡を設置してある事がよくありますが,これが問題です。
洗面器の位置が便器の脇なら良いのですが,洗面器が便器の正面にありますと当然鏡も便器の正面になってしまいます。このセンスは疑ってしまいます。

自分が排便していたり,お尻を拭いている顔や姿が正面の鏡に見えるのですからあまり感じの良いものではありません。むしろ不快だと思います。

マンション設計者はこういう所に気配りが必要です。こういう所に気配りの無い設計者の設計したマンションはほとんどと言っていいほどマンション全てに気配りが不足しています。この点を見ただけでそのマンション全ての使い勝手の良し悪しが判断できますので皆様良く便所をチェックして下さい。

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