役所や民間検査機関の建築確認申請の審査

役所の確認申請の審査で「ズサン」な所が「ボロボロ」出てきました。もう民間の検査会社だけを責める訳にはいきません。

では何故この様になったかを簡単に申し上げますと,役所の中で確認申請を審査する建築審査課や民間検査会社に建築構造のエキスパートがほとんど居ないと言う事です。

更にびっくりいたしますのは,役所で建築確認申請図を実際にチェックしている人の中には「一級建築士」の資格を持っていない人が居る事です。法的には確認申請を審査し,審査が通った時に「審査済」の押印をする人が「建築主事」の資格を持っていれば良いのです。

ですから「姉歯」や第二の「姉歯」の不正が見抜けなかったのではないかと思います。

しかし,今回は構造だけが問題になっていますが,私の経験で申し上げれば意匠図のチェックも役所によっては「ズサン」な所があります。

マンションの意匠図で良く有る「不正」は南北の方位を5~15度位都合の良い方向に向けて確認申請を提出する事です。確認申請には測量事務所が測定した真北測定図と真北計算表を添付するのですが,役所では測量事務所が悪い事するはずないという「性善説」を取り「住宅地図」の縦線に整合しているかを簡単にチェックしている様です。

それが判ったのは昔,私が設計したマンションが近隣住民の反対が強くて売主がその土地を転売してしまった時の事です。その後,その土地を買った超大手三流の売主が建てたマンションは私が設計したマンションより高く大きかったのです。私の所に近隣住民が不思議に思い私に図面をチェックして欲しいと来訪され,早速そのマンションの図面をチェック致しました。図面内の方位を見て驚きました。北側斜線制限の図面の方位と日影図の方位が15度位都合の良い方向を向いていたのです。

私は近隣住民の方に「もう工事をしているという事は確認申請が通っているのですから打つ手は有りません。やるとするなら確認申請を通した役所を“行政不服”で訴えるしか有りません。」と言いました。

この超大手三流ディベロッパーはこの様な違法に近い事を平気で行う会社です。名前を言えば知らない人は居ない位有名な会社です。

これからマンション購入を検討されている方はこの手の「騙し」に合わない様に注意してください。

騙されない方法は建築現場に行き,接している道路の上に「販売図面集」の中の1階平面図の道路の線を合わせて置きます。そして方位を示す磁石を置き1階平面図内に書かれている方位とほぼ合致しているかを確認するのです。

ここで「ほぼ」と申し上げたのは建築基準法の北は「真北」(しんぼく)で表示し,東京では磁石の北(磁北)より時計回りの方向に約6度20分の位置が「真北」だからです。

高額の買い物をするのですから,最低この程度のチェックはして下さい。販売図面の方位が実際と違っているという事ででもディベロッパーの良し悪しは判断できます。

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