「 ギロチンマンション 」が最近増加傾向に…。

今回は最近また増えてきました「 ギロチンマンション 」に関してのお話しを致します。

まず,言い訳になりますがこの約3~4年前位より新規分譲マンションの販売事務所・モデルルームへの私単独の訪問は致しておりません。

その理由は「 現地同行 」チェックですと,購入予定者が主役ですので,販売事務所・モデルルームへ訪問し,モデルルームや設計図書一式をじっくり拝見できます。

処が,私単独での訪問では販売事務所の受付で「 碓井と申します。見学ですが…。」と言いますと,嫌な顔をされまして,販売用のペラペラなチラシ1枚を渡されモデルルームの見学は暗に迷惑だという態度で案内されるので,最近の新規分譲マンションのチェックはホームページ( HP )を隅々まで見ています。

但し物件のHPでは,販売事務所で貰う販売図面集より簡素化致しておりまして,住戸プラン内の各部屋の天井高までは記入されていませんので念の為申し上げておきます。

前置きはこの辺に致しまして,本題の最近増えてきました「 ギロチンマンション 」に関しての見解を私の独断と偏見で申し上げます。

先月の11月頃にチェック致しました首都圏( 東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県 )の主だった新規分譲マンションの中の2物件に「 ギロチンマンション 」が存在していました。

ちなみに「 ギロチンマンション 」とはどの様なマンションなのかを,約11年強前にこの「 良識あるマンション指南 」16号『 「ギロチンマンション」は購入者への… 』で詳しく御説明していますのでそちらを御覧下さい。URLは以下です。クリックして御覧下さい。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/16

約7年前頃より「 ギロチンマンション 」はほとんど無くなりましたのが,最近また「 ギロチンマンション 」が復活し,この2物件のHPを見まして驚きました。

この2物件の物件概要を大雑把に御説明致します。

一番目の物件の立地は東京23区内の南西部で私鉄駅より徒歩6~7分表示です。

ゴルフ練習場の跡地だそうで,道路をはさんで南北2敷地に分かれておりまして,環境は緑豊かで良い所です。

ランドスケープ( 外構 )のデザインは良好です。

構造・規模は南敷地に建つ南棟は鉄筋コンクリート造地上8階建てで,北敷地に建つ棟は鉄筋コンクリート造地上9階建てです。

総戸数は400戸弱で,住戸タイプは1LDK+S~4LDKです。

1住戸当りの専有面積は約58平米弱( 約18坪弱 ) ~約115平米弱( 35坪弱 )です。

専有面積当りの販売価格は平均で坪当り約320万円程度です。

事業主は超大手ディベ2社と準大手ディベ1社のJV( 共同企業体 )です。

基本設計は別会社ですが,実施設計及び施工会社がマンション施工超大手のA社と中堅のB社のJVです。

一番目の物件の大雑把な概要は上記内容ですが,物件HPの住戸プラン内の,ある住戸を見まして「 えっ! 」とビックリでした。

この素晴らしい事業主3社が,なんと南西角の妻側住戸の2タイプで洋室天井中央付近に大梁が通って天井面よりも約20センチ程度垂れ下がっていると思われるのです。これにはびっくりです。

私ども建築家( マンション設計者 )が俗に言う「 ギロチンマンション 」なのです。

二番目の物件もその様な住戸タイプが有りましたので,大雑把に物件の概要を御説明致します。

この物件の立地は埼玉県東部のJR線駅徒歩2分と便利な場所です。

構造・規模は鉄筋コンクリート造地上14階建てです。

総戸数は100戸強で,住戸タイプは3LDK~4LDKです。

1住戸当りの専有面積は約63平米弱( 約19坪弱 ) ~約84平米弱( 25坪強 )です。

専有面積当りの販売価格は平均で坪当り約180万円程度です。

先程の物件よりはかなり低価格です。

事業主は準大手ディベ1社です。

設計及び施工は一番目の物件と同じA社です。

ここもHPの住戸プラン内の主たる1タイプを見て唖然です。

東南角の妻側住戸の主寝室天井の中央部分に大梁が通って天井面より約20センチ程度垂れ下がっていると思われるのです。

この住戸も「 ギロチンマンション 」なのです。

「 ギロチンマンション 」の住戸は住空間が良くないのです。

そして,上記2物件の「 ギロチンマンション 」の設計及び施工が同じA社なのには未だに進歩が無いと思われます。

2物件共,設計担当者は異なると思いますがA社設計部の方々です。

さて,ここでまた私の独断と偏見で見解を申し上げますと過去にはA社設計部の設計された分譲マンションに於いて,この様な「 ギロチンマンション 」が多々見受けられました。

更に今回取り上げた2物件,一番目の物件は専有面積の販売坪当り単価は約320万円で二番目の物件の専有面積の販売坪当り単価は約180万円なのです。

そして,2物件それぞれの立地の価値は異なりますが,構造躯体等は全く同じ仕様なのです。

一例を挙げますと,住戸のバルコニー側と外廊下側の外壁仕様が鉄筋コンクリート造では無く「 ALC版 」仕様なのです。

私は建築家のはしくれとしてA社設計部に申し上げたい事がございます。

せめて専有面積の販売坪当り単価約320万円の物件では「 ギロチンマンション 」住戸を作らず,そして外壁全てを鉄筋コンクリート造にして欲しいと思います。

この外壁が「 ALC版 」の件に関しましても約11年前にこの「 良識あるマンション指南 」13号『 マンションの外壁はダブル(複列)配筋のコンクリート壁が良い。 』で詳しく御説明していますのでそちらを御覧下さい。URLは以下です。クリックして御覧下さい。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/13

現在,新規分譲マンションの契約率がボーダーラインの70%を下回ったと言え,この様な「 ギロチンマンション 」や構造躯体費用を安価にする事が増加傾向にあるのは望ましい事とは思えませんが,皆様如何でしょうか…?


次回このコラム550号は12月28日( 第4水曜日 ) に更新致しますのでお楽しみに…。


----------------------------------------------
◇ 碓井建築オフィスによるサービスはこちらから
マンション購入相談/モデルルーム・現地同行チェック/内覧会立会い
http://www.sumai-surfin.com/service/usui-office/index.html

連載コラム

特集

もっと見る