「 L字型配棟 」マンションで地下室がつながっている物件に要注意…。

今回は「 L字型配棟 」マンションで「 地下室 」がつながっている物件の注意点をお話し致します。

これから申し上げる事は,建築家である私の独断と偏見ですので御了承下さい。

さて「 L字型配棟 」マンションで「 地下室 」がつながっている物件の注意点を,皆様に分かり易く御説明致します。

「 L字型配棟 」マンションは「 L字 」の縦棒方向の棟と横棒方向の棟は往々にして最上階の階数が異なります。

例えば縦棒方向の棟が地上5階地下1階建てで,横棒方向の棟が地上3階地下1階建ての場合です。

このケースでは「 基礎 」の形式が異なる場合があるのです。

地上5階地下1階建ての棟の基礎は「 杭基礎 」で,地上3階地下1階建ての棟は軽いので「 直接基礎 」( 俗称:ベタ基礎及びフーチング基礎 )を採用する場合が有るのです。

そして,地上3階地下1階建ての棟の地上階上端の高さまでと,地下1階下の「 直接基礎 」下端まで「 エキスパンションジョイント 」( 俗称:EXP.J )で構造上,縁が切れていればその物件は構造上良好で問題は有りません。

ちなみに「 エキスパンションジョイント 」( 俗称:EXP.J )とは簡単に御説明致しますと, 棟( 建物 )の向きや構造( 基礎部分を含む )が異なる棟等の接合部分に設けるスリット( 切れ目の隙間 )の事です。

処が,上記のケース( 杭基礎棟と直接基礎棟 )で地上階部分は最上端まで「 EXP.J 」で構造上は縁が切れていますが,地下階は構造上,縁を切らず「 EXP.J 」を設置していない物件をたまに見かけます。

この場合地上5階地下1階建ての棟の「 基礎 」は「 杭基礎 」ですのでN値50以上の固い地盤( 支持層 )に深さ1m以上杭が刺さっていますので,建物の沈下はまず有りません。

しかし,地上3階地下1階建て棟は,地上5階地下1階建ての棟よりも建物の重さが軽いので「 基礎 」の選定を机上の構造計算で構造設計者が「 直接基礎 」を選び,N値50未満の地盤でも耐えうると判断し,建築確認申請機関でも認可されている場合が多いのです。

机上の構造計算通りになれば良いのですが,「 直接基礎 」を支えています地盤面が「 圧密沈下 」( 地盤の水分等が抜ける現象 )等で下がってしまう事象が発生致す事が多いのです。

その結果,地上5階地下1階建ての棟と地上3階地下1階建て棟の地下1階での接続部分に大きなクラック( ひび割れ )が生じ地下水が流れ込んでくる可能性が高いのです。

この様なマンションで地下室にクラックが生じたといたしましても,事業主側は「 自然災害 」( 天災 )と処理し改修は致しません。

ですので,このコラムのタイトルの『 「 L字型配棟 」マンションで「 地下室 」がつながっている物件 』は要注意ですので,皆様にワーニング致しました。


次回このコラム543号は9月14日( 第2水曜日 ) に更新致しますのでお楽しみに…。


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