「 スーパー億ション 」売れゆき好調な異常事態…。

この処,僅かな「 富裕層 」と大多数の「 庶民 」の格差が益々広がり「 2極分化 」が進みました。

今回は「 スーパー億ション 」が飛ぶように売れ,逆に「 ファミリーマンション 」の売れ行きが伸び悩んでいる現況を憂いていますので,この事に関して皆様に御説明致します。

さて,東京都心3区( 中央区,千代田区,港区 )内で最近売り出されたとある「 スーパー億ション 」に関してビックリ仰天ですので詳しく述べさせて戴きます。

この「 スーパー億ション 」の立地は東京メトロ線沿線で最寄駅より徒歩約5分弱です。

そして,総戸数約40戸弱で,住戸のタイプは1LDK~4LDKです。各々の住戸専有面積は約100平米超( 約30坪超 )/戸~300平米超( 約95坪超 )/戸です。

第1期の販売戸数は総戸数の約半数の住戸で,販売価格は2億円超/戸~10億円超/戸で,販売坪当り単価は約900万円/坪超~約1500万円/坪超で成約に至ったそうです。

私ども庶民には到底購入できない価格ですが,僅かな富裕層にとっては立地が良いので希少価値だと思い成約されたそうです。

しかしこの物件のHPを拝見致しますと事業主がJV( ジョイントベンチャー:共同企業体 )でメインの事業主の体質が如実に現れています。

その辺りを,いつもの私の独断と偏見での見解を申し上げます。

このメインの事業主の分譲する庶民向けの「 ファミリーマンション 」ではバルコニー側や外廊下側の外壁は「 ALC版 」で妻側の外壁のみ「 鉄筋コンクリート造ダブル配筋 」ですが,今回の「 スーパー億ション 」では外壁の全てが「 鉄筋コンクリート造ダブル配筋 」なのです。

はっきり申し上げれば「 ファミリーマンション 」の外壁仕様は購入予定者が庶民だから見えない所にはお金を掛けないという体質が如実に物語っていると感じました。

また「 スーパー億ション 」にも拘わらず住戸間の戸境壁仕様は遮音性能が低い「 乾式工法 」なので「 富裕層 」の顧客の質を軽んじているのではないかと思います。

何度もこのコラムで私が申し上げていますが,戸境壁の遮音性能は重量に比例して高まります。

ボードの重ね貼りよりも鉄筋コンクリート造の方が明らかに重く遮音性能は良いのです。

実験室のデータを信じ住戸間の戸境壁仕様を「 乾式工法 」にし,クレームが出ている物件を多数見てきています。

財閥系の売主のほとんどでは,全ての住戸価格が2億円以上の「 スーパー億ション 」物件になりますと,全ての外壁及び戸境壁の仕様は将来クレームが生じない「 鉄筋コンクリート造ダブル配筋 」なのです。

処が,この物件の売主は財閥系ではないので矜持も無く「 富裕層 」の顧客向け物件に於いても分譲マンションでの建築物として大切な見えない部分は建築費用を費やさないと想像致します。

そして,この「 スーパー億ション 」を購入された方は富裕層で実需( 実際に住まう為の購入 )の方は少なく,ほとんどの購入客は投資目的だったそうです。

実は私がこの「 スーパー億ション 」を今回このコラムでとり挙げたのには訳があるのです。

その訳とは約1980年チョット前頃に,この「 スーパー億ション 」に隣接した敷地に,私が担当で総戸数80戸強の分譲マンションの設計監修及び工事監理監修を行ったからなのです。

私の記憶では,確かその物件の販売平均坪単価は当時で約180万円/坪でした。

それでも,ディベロッパーは当時の価格水準からかけ離れていましたので,中小ゼネコン持ち込みの設計・施工物件でしたが心配を致しまして,私が当時在籍していました大手設計事務所に設計監修と工事監理監修を依頼してきました。

その為に担当した私は毎日徹夜でゼネコン設計部が企画及び基本計画をしました住棟配置や住戸プランを練り直しました。

総工事費は若干高くなりましたが数%アップで済み,竣工後約1ヶ月で完売致しました。

この私が関与しました分譲マンションの販売価格は先程申し上げました様に販売平均坪単価は180万円/坪ですが,今回御紹介した「 スーパー億ション 」の販売価格はこの価格の約5倍~約10倍という事で隔世の感が有るのです。

一部の中立なメディアが不動産市場の将来を冷静に分析し,今後は少子高齢化が進み,2020年以降には分譲マンション価格のバブルは弾け,また騰落の一途を辿ると予想し先日記事に致しました。

ちなみに,1990年頃のバブル期に世田谷区の超高級住宅街で最寄り駅より徒歩5分弱の場所で1住戸の価格が7億円強( 販売坪単価1200万円/坪 )の「 スーパー億ション 」の設計及び工事監理を行いました。

その後,バブルが弾け物件の中古価格は現在約1/8となっており,その経験が有りますので,私も先程の記事に同感致します。

現在は立地が郊外で新規分譲の「 ファミリーマンション 」も割高ですので,あと最低でも4年間は購入を控えた方が賢明だと思いますが如何でしょうか…。


次回,このコラム541号は8月10日( 第2水曜日 ) に更新致しますのでお楽しみに…。


----------------------------------------------
◇ 碓井建築オフィスによるサービスはこちらから
マンション購入相談/モデルルーム・現地同行チェック/内覧会立会い
http://www.sumai-surfin.com/service/usui-office/index.html

連載コラム

特集

もっと見る