杭施工に関する再発防止策について

先日の6月7日「 三井不動産レジデンシャル 」が企業情報としてリリースした「 分譲マンション事業における杭施工に関する再発防止策について 」に関して,私の見解をいつもの独断と偏見で申し上げます。

まず「 三井不動産レジデンシャル」の「 分譲マンション事業における杭施工に関する再発防止策について 」をお読み下さい。URLは以下です。クリックして御覧下さい。

http://www.mfr.co.jp/company/news/2016/0607_01.html

この内容をざっと見まして,建築家の端くれであります私の経験から結論を先に申し上げますと,「 施工者 」「 監理者 」「 第三者 」「 売主 」がまずこの内容を100%遵守する為には多くのハードルが有り不可能に近いと思います。

その理由を申し上げますと「 施工者 」の欄に書かれている2点の内容を確実に履行するには人手がかかり,マンション工事費見積書の各単価や「 間接工事費 」( 工事をする為に必要な準備作業,仮設物,工事管理費用や会社の利益分など間接的に必要な費用 )を公共建築物並みに上げなければゼネコンは請けられないと思います。

次に「 監理者 」の欄に書かれている2点の内容も確実に履行するにはそれなりの費用として人件費+経費+粗利益( 約20% )を「 三井不動産レジデンシャル」が正当に支払わなければ「 監理者 」をかかえている事務所は成り立ちません。

また,俗に言う「 施工者 」と「 監理者 」が同じ会社の場合は,社内の力関係で,まず「 工事監理 」( さらかん )のインスペクション機能は「 工事管理 」( たけかん )内に取り込まれてしまうと私は危惧致します。

ちなみに,このコラム#525『 工事監理と工事管理の違いは…。 』で「 さらかん 」と「 たけかん 」の違いを詳しく御説明しておりますので御覧下さい。URLは以下です。クリックして御覧下さい。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/525

そして「 第三者 」の欄では「 新たに住宅性能評価機関等の第三者が一部の杭を抽出し立会を実施する。 」と書かれています。

この「 第三者 」の欄で書かれています「 住宅性能評価機関等 」とは通常「 確認申請 」を提出し,認可した機関で「 試験杭 」( 最初に打設する杭 )工事は立ち会うのが当然だと思っていますので,ここで書かれています「 第三者 」機関は他の機関に見直された方が宜しいかと存じますが…。

最後に書かれています「 当 社 」( 売主・事業主 )欄には「 従来より実施している試験杭の立会に加え,一部の杭を抽出し立会を実施する。 」となっていますが,これこそ「 売主 」責任として「 売主 」の技術者が一部では無く全ての杭の立ち合いに書き換えるべきではないでしょうか…。

販売価格( 工事価格では無い )の2~3割を粗利として稼いでいるのが「 売主 」ですので…。

今回のコメントは「 杭工事 」のみの未達再発防止策ですが,財閥系超大手ディベロッパーでマンション業界のフラッグシップとしての会社であれば「 躯体工事 」に於いて工事ミスが発生しない( 仮称 )「 分譲マンション事業における躯体工事ミス防止対策 」をも厳格に作成し,リリースして欲しいと思いました。

どうも今回の「 三井不動産レジデンシャル 」のメディア向け「 当社分譲マンション事業における杭施工に関する再発防止策について 」のコメントは,今後の顧客に対するパフォーマンスとしか感じ得ませんのは私だけでしょうか…?

皆様の忌憚無き御意見を戴ければ幸いです。

次回,このコラム539号は7月13日( 第2水曜日 ) に更新致しますのでお楽しみに…。


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