「 長周期地震動 」に関して…。

新年おめでとうごございます。本年もこのコラムを宜しくお願い申し上げます。( 松の内を過ぎてしまいましたが… )

今回のコラムは新年早々楽しいお話しではないのですが,内閣府が昨年( 2015年 )12月17日に,南海トラフ地震に於いて「 長周期地震動 」が発生した場合には,東京や大阪の高層ビルで最大2~6メートルの幅の横揺れが起きる可能性を公表致しました。

「 長周期地震動 」とは地震の揺れが1往復するのに要する時間を「 周期 」といい,小刻みに「 ガタガタ 」と揺れる通常の「 短周期地震動 」とは違い,ゆっくりと揺れ,揺れの1往復( 周期 )が2秒以上を「 長周期地震動 」と言います。

「 長周期地震動 」は震源が浅く,マグニチュード7以上( 大地震 )の規模の地震で起きやすく,震源から遠い場所まで届きます。尚,地盤が緩い平野部の高層ビル等では揺れが増幅されやすいのです。ちなみに,2011年3月11日に発生しました「 東日本大震災 」は「 長周期地震動 」だったそうです。

内閣府の公表に依って特に国土交通省は,揺れが大きい東京,大阪,名古屋3都市圏と静岡県を対象に対策をとる方向で準備を進めています。

高層ビルを設計する際に,現行建築基準法の構造基準である「 短周期地震動 」では1秒間に揺れる幅を最大80センチ,揺れの長さを60秒以上と想定して構造計算をしていますが,今後の新築建物については「 長周期地震動 」に耐えられる様に建物の揺れる幅を最大1メートル60センチで,揺れの長さを500秒( 8分20秒 )以下とする新しい構造基準をつくるそうです。

そして,国土交通省によりますと,3大都市圏と静岡に高層ビルは現在約2000棟有るという事です。

その内の約400棟は新基準よりも小さな揺れの想定で設計されているとの事で早めに新基準を作成するそうです。

新基準に満たない恐れがある既存のビルに対しては耐震診断を促し,制震装置の設置や柱の強化等の補修が必要な場合に於いて,費用の最大3分の1を助成する方針だそうです。

特に,国土交通省は,南海トラフ巨大地震による「 長周期地震動 」対策として,高さ60メートル( 約18階建て )を超える超高層ビルの耐震性を強化すると発表致しました。

今後は新築建物の構造設計の基準を見直し,そして既存の建物には「 長周期地震動 」対策に向けて補修費用の助成をする事に致しました。

この件は2017年度までに制度改正し,実施するそうです。

これらの報道を鑑み,私の独断と偏見で申し上げますと,毎日日本中のどこかで地震が起きている日本と言う国では超高層建築物( タワーマンション )は人間が住む建築物ではないと思いました。

私は以前から「 タワーマンションには住まない方が良い 」との立場を取り続けていましたので,それが立証された感が否めません。

その理由は以前このコラム423号『 「 超高層マンション 」の購入者は…。 』とコラム512号『 タワーマンションの漏水事故について…。 』で「 タワーマンション 」のディメリットを具体的に書きましたので御覧下さい。URLは以下です。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/423
https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/512

もう既に「 タワーマンション 」にお住まいの方は,早急に管理組合で協議し制振装置を更に増設する事をお勧め致します。

更に「 タワーマンション 」の住戸内に於いては「 家具転倒防止対策 」を早めに行う事をお勧め致します。

「 家具転倒防止対策 」に関しては以前このコラム#328『 「 家具転倒防止対策 」を…。 』で書きましたのでそちらを御覧下さい。URLは以下です。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/328

ちなみにそれでも「 タワーマンション 」に住みたい方は,新しい強化された耐震性の構造基準を採用した建物で,且つエレベーターに「 自動診断・自動復旧システム 」が設置されているマンションをお選び下さい。

この「 自動診断・自動復旧システム 」の具体的内容はこのコラム493号『 「 エレベーター 」に「 自動診断・自動復旧システム 」設置有無の確認を…。 』を御覧下さい。URLは以下です。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/493

また,建築家である私の独断と偏見で申し上げれば,マンションは高さ31メートル未満で,且つ10階建て以下の建物をお選びになる方が賢明だと思います。

「 2016年 」には「 南海トラフ地震 」が起きない事や「 2015年 」の様な建築業界での不祥事も起こらない事を願って止みません。

次回,このコラム528号は2016年1月27日( 第4水曜日 ) に更新致しますのでお楽しみに…。


----------------------------------------------
◇ 碓井建築オフィスによるサービスはこちらから
マンション購入相談/モデルルーム・現地同行チェック/内覧会立会い
http://www.sumai-surfin.com/service/usui-office/index.html

連載コラム

特集

もっと見る