傾いた「 欠陥マンション 」の私の見解は…。

今回は前々回及び前回の「 欠陥マンション 」の件に関する私の見解を独断と偏見で皆様に申し上げます。

最近は傾いた横浜の「 欠陥マンション 」に関して沢山の御意見や情報等のメールを戴いており,この場を借りまして御礼申し上げます。

その中に最も信頼に耐えうるメールがございました。

その最も信頼できますメールに書かれておりましたURLをクリック致しましたら「 Net IB News 」サイト表示がされました。そのサイト内に掲載されておりました「 協同組合建築構造調査機構 」の「 横浜のマンション傾斜に関して 」のコラムを拝見致し,前回私の予想した内容とやや近く,目から鱗状態になりました。  

そのコラムの内容を分かり易く簡単に御紹介致します。

横浜のマンションで採用されていた杭の工法は「 ダイナウイング工法 」という国土交通大臣認定の工法です。

国土交通大臣認定である「 旭化成建材 」の「 ダイナウイング工法 」に於いては「 この認定工法では杭先端部分の支持層の土質が2つに限定されている事 」が条件なのです。

同工法の認定では,「 砂質地盤 」「 礫質地盤 」のみを対象としています。しかし,問題となっているマンションの支持地盤の土質は「 土丹層 」( 砂質粘土が堆積し長年にわたって堅く凝固したもの )という粘土質の地盤であり,認定の対象外のものなのです。

認定外の地盤に認定工法を採用されれば,国土交通省認定で設定された支持力は確保できません。

「 支持層に届いていない杭がある 」という問題よりも「 支持層が認定外の土質のため,例え杭が支持層に到達していても,設計通りの鉛直荷重の支持力を保持していない 」という事になります。

ですので,傾斜した棟以外の棟も「 ダイナウイング工法 」に依る杭が国土交通大臣認定の条件を満たしていない,違法に近い状態となるのです。鉛直荷重の支持力を保持していないという事であり,すべての杭が「 建築基準法違反 」と言えるのではないか…と言う事です。

建築に於いて杭の仕様を決定するのは構造設計者です。この建物では「 三井住友建設 」の構造設計部門です。構造設計が間違っていれば,建築確認申請の審査機関である「 日本ERI 」が指摘し是正を求める事が義務付けられているはずなのです。

処が「 日本ERI 」はこの傾斜したマンションの確認申請図書内の杭仕様に関しては何も指摘せず是正勧告も致さなかった事が,今回の様な事態を招いたのではないかと推察致します。

杭打ち業者の「 データ流用・改ざん 」よりも,事は重大だと私は感じます。

「 国土交通省 」は早急に建築確認申請の民間の審査機関に杭が「 ダイナウイング工法 」の建物の構造設計書とボーリングデータ( 地盤調査の柱状図 )の再検査を指示すべきではないでしょうか…。

前回#523号コラムで,私が予想して書きました「 構造設計者の計算ミス 」が若干的中したのですが,同じ建築設計者としては何か嫌な気分です。

今後,この様な事が起きない事を祈念致します。

ちなみに今回のコラムは「 Net IB News 」サイト内「 横浜のマンション傾斜に関して 」のコラムを参照致し,一般の方々に分かりやすく手を加えました。URLは以下です。

http://www.data-max.co.jp/271116_11_no_ymh1/

次回,このコラム525号は12月09日( 第2水曜日 ) に更新致しますのでお楽しみに…。


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