「 欠陥マンション 」についての続編

今回は前回のコラム522号の続きです。

「 欠陥マンション 」の件では,前回コラムの時よりかなり多くの情報が入ってきました。

今回は,いつもの私の独断と偏見で再度精査致しました見解を申し上げます。

先日,売主「 三井不動産レジデンシャル 」の親会社の「 三井不動産 」の上席役員がやっと記者会見を致しました。チョット遅い気がしますが…。

その席上で「 三井不動産 」の上席役員が,今回の「 欠陥マンション 」の件に関して「 建て替え費用 」或は「 既存マンション買い取り 」等の費用を施工した「 三井住友建設 」や下請け等に全ての費用は負担させないとのコメントをしていましたので,これには好感が持てました。

さて,私がくまなくメディア等の記事やテレビを見てみますと,今回の欠陥工事の責任のほとんどが「 旭化成建材 」に有る様な論調なので,ビックリ致しました。

長年にわたりマンションの設計及び工事監理に携わった者としては,何か不自然な感が致してきましたので,その内容をお話し致します。

まず,その一例と致しまして,この物件の杭工事を行った方のインタビューでは「 杭は間違いなく支持地盤まで届いています。工事記録( データ )を改ざんした事は悪いと認めています。 」との回答でした。

もし,そうであるならば,支持地盤まで届いていないと称される杭の検証を行うのが筋です。この検証作業は支持地盤まで届いていないと称される杭の位置に現在お住まいの方の同意を得て,一時賃貸マンションに移って戴き,床スラブの一部を壊して行う事ができるかと思います。

そして,この検証を行い,支持地盤まで届いていないと称される杭が構造設計図書通りに支持地盤に届いていましたならば,建物の鉛直荷重に耐えられる杭であるか否かの構造設計( 構造計算 )を再度検証すべきです。

この検証に依って支持地盤まで届いていないと称される杭の耐力の構造計算がもし間違っていましたら,構造設計者の責任であり,更に建築確認申請図書を精査し認可された検査機関にも責任があるはずです。

ちなみに,今回の構造設計者は建築主である「 三井住友建設 」で,確認申請と竣工検査機関の会社は過去の「 姉歯事件 」の時と同じ「 日本ERI 」という会社です。

私は売主である「 三井不動産レジデンシャル 」は第三者機関に支持地盤まで届いていないと称される杭の検証を依頼する事が先決だと思います。

今後この様な問題が起きない為には「 国土交通省 」が「 建築基準法 」を改正し,建築確認申請提出時に建築物で「 PC杭 」( 既成杭 )を採用の場合は,貫入する場所全てのボーリングデータ( 地質調査表 )の提出を義務付ける方が良いと思います。

ボーリング調査は1ヶ所約15万円~20万円程度ですので,建築工事費に比べればはるかに安いものです。建築主の安心料ですので…。

再度申し上げますが「 三井不動産レジデンシャル 」は早急に支持地盤まで届いていないと称される杭の検証を第三者機関に依頼し実行して下さい。


次回,このコラム524号は11月25日( 第4水曜日 ) に更新致しますのでお楽しみに…。

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