タワーマンションの漏水事故について…。

今回は「 タワーマンションの漏水事故 」に関してのお話しを致します。

今回この件をコラムに致しましたのは,この処我々建築関係者の話題にあがっていますのが「 タワーマンションの漏水事故 」多発なのです。

ちなみに,タワーマンションとは高さが地上60メートル( 18階建て )以上の高さのマンションの呼び名です。

今回は私が得た情報をもとに,その現状と原因に関してのお話しをお話し致します。

初めに断わっておきますが,これからのお話しはタワーマンションで実際に生じた漏水事故であり,その原因に関しての見解は私の長い設計及び工事監理の経験に基づいた独断と偏見で申し上げます。

尚,建築用語をなるべく使わずに,分かり易く大雑把に御説明致します。

まず「 タワーマンションの漏水事故 」で一番多い部分は屋根よりも外壁からの雨水の侵入です。

外壁からの雨水の侵入には大きく2つのケースが有ります。

1つ目のケースはタワーマンションの外壁の材質がALC版の場合です。ALC版とは工場で作成され,コンクリートを泡立てて軽量化した板の中に鉄線入っています。鉄筋では無く鉄線なのです。

このALC版の幅は約90センチ~1メートルなのです。ほとんどのタワーマンションの外壁はこのALC版を縦に並べ,版と版の継ぎ目を弾性目地材の充填でコーキングし,雨水の侵入を防いでいます。

タワーマンションは中高層マンション( 高さ45メートル以内 )よりも地震や台風等でよく揺れますので,ALC版とALC版の継ぎ目のコーキングの経年劣化や疲弊が早いので,ひびが入り易いのです。

コーキングにひびが入れば当然そこから横風を伴った雨水が浸入し,住戸内にまで入ってきます。

私が友人から聞いた話では竣工後3年でコーキングにひびが入り漏水事故を起こしたタワーマンションが有ったという事です。

以上が1つ目の「 タワーマンションの漏水事故 」例です。

次に多い2つ目の「 タワーマンションの漏水事故 」は外壁に設置されたサッシュと外壁の面が同一面の場合です。

サッシュ面は外壁面より約5センチ~7センチ弱室内側に奥まらせて設置するのが設計のイロハです。処が最近のタワーマンションはデザイン優先なのでサッシュと外壁面を見栄えの良い同一面に設置するケースが多いのです。

更にそのサッシュ部分には庇状のバルコニー等が無い例が多いのです。その場合はサッシュと外壁の間に充填されたシール材( 弾性樹脂 )がもろに外部にさらされていますので,このシール材の経年劣化が早いのです。

先程も申し上げました様にタワーマンションは中高層マンションよりもよく揺れますので,このシール材の劣化がより早く起こり,シール材の隙間から雨水が浸入して漏水事故になるのです。

分譲マンションは竣工後10年間は漏水事故の改修工事費用は売主の負担です。しかし,10年以降は管理組合の負担で改修工事を行いますので,修繕積立金が足りなくなるかもしれません。

現在は日本全国のどこかでほぼ毎日地震が起こっていますので,タワーマンションの購入を検討されている方は今回私が申し上げた上記の様な漏水事故の可能性が高い事を念頭に購入するかを決断して下さい。

尚,次回513号は4月22日( 第4水曜日 ) に更新致しますのでお楽しみに…。


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