建物高さ制限ゾーンを定めるのならば制限した高さの明確な根拠が欲しい

今回は都心3区内のある区で建てられている新規分譲マンションに関してのお話しを致します。

その区はまちづくりのルールとして区内を3つのゾーンに分けその中の1つのゾーンに「 街並み誘導型地区計画 」を定めました。古い街なのでそのゾーンに住んでいる方々の建替えの支援を目的に法制化いたしました。

その区の「 街並み誘導型地区計画 」を大雑把に申し上げますと,建物の高さや壁面の位置の制限により道路斜線制限や容積率の制限が緩和されるという事です。

先程申し上げました新規分譲マンションがこの区の「 街並み誘導型地区計画 」の規制にかかるのです。

この区の「 街並み誘導型地区計画 」では建物高さを36mで規制しているのです。

この事は前回このコラム509号『 表彰された区画整理事業への違和感が…。 』内でも書きました様に建物の高さが均一化されてスカイラインが美しくなるのでとても良い事です。

しかし,私の独断と偏見で言わせて戴ければ,高さの36m制限の根拠が不明です。何を根拠に建物の高さを36mに規制されたのかが私には全く理解できません。

近年建てられた事務所ビルや商業施設( ショッピングセンター等 )の平均階高はほとんどが約3.7m~4mです。

建築家の端くれであります私の経験に於いては,建物高さは大抵この平均階高×階数+1メートルになります。ですので高さ36メートルという根拠の無い半端な数字が私には理解できないのです。

そこで気になりましたのが, 先程申し上げました新規分譲マンションがこの区の「 街並み誘導型地区計画 」の高さ36メートル規制にかかっている事なのです。

現在のこの区のこのゾーンでは財閥系超大手ディベロッパーと金融系超大手ディベロッパーが新規分譲マンションを建設・販売中です。

両物件共に「 物件概要 」内の「 構造・階数 」欄には「 鉄筋コンクリート造地上12階建て 」と記されていました。

高さ36m以内に12階建てですと平均階高は約2.91m( 36mマイナス1m割る12層≒2.91m )となりチョットネです。

私のマンション設計の経験から申し上げますと,10階建て以上のマンションの平均階高は最低3mは必要なのです。

特に財閥系超大手ディベロッパーの物件は私が以前から堅実さを高く評価していましたのに残念な思いです。

この区の御役人様が,何ゆえにこのゾーンの高さ制限を根拠が無い理解不能な36mにされたのかを区のHP内の「 まちづくりのルール 」の中で納得できる説明や根拠を示すべきではないかと思いました。


尚,次回511号は3月25日( 第2水曜日 ) に更新致しますのでお楽しみに…。


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