「構造計算書」偽造事件について-その2

今回も前回に引き続き「構造計算書偽造」事件についてのお話をいたします。

建築確認申請は1年に約72万件提出され審査するのは各地方自治体の建築審査係か,あるいは政府の認定を受けた「イーホームズ」の様な「代行機関」です。この「代行機関」の会社は全国に約122社有ると言われています。

約72万件の確認申請の審査を自治体と約122の「代行機関」で丁寧に見る事は不可能な事はないですが,自治体ですと1件でだいたい1ヶ月半から2ヶ月位日数がかかってしまいます。マンションの売主は銀行からお金を借りてマンション事業をしていますので,日数が長引けば金利がかかるので時間との勝負です。

ですので建築確認申請は1日も早く通し,着工を急ぐのです。「代行機関」へ提出すると審査料金は自治体の審査料金の倍以上になりますが,建築確認申請の審査期間は2週間位で終了し,通るので最近のマンションの建築確認申請は「代行機関」に提出されているのが多いと聞いております。

私の経験から申し上げてもあの分厚い「構造計算書」をチェックして「構造設計図」との整合性や照合を間違い無く確認し,意匠図(日影図等も)をチェックしていたら,とても2週間の時間で終えられるものではないと思います。

今後マンション購入を検討している方は自己防衛として,そのマンションの建築確認申請の提出先を聞き,「代行機関」であれば何か問題が生じた時に金銭的な保証がむずかしいのでなるべく避けた方が良いと思います。地方自治体(役所)ならまあ安全ですし,万が一問題が生じても自治体や国が責任を取って金銭的な保証をしてくれると思いますので大丈夫だと思います。

あとは,マンションの「設計経験の豊富」な建築家に購入契約前に是非,設計図書を精査してもらうしか有りません。購入契約後に精査してもらっても無駄になる可能性が高いので絶対に契約前に精査してもらって下さい。

今の処,購入者の自衛手段はこの2点しか有りません。

高額な一生の買い物ですので同じ様な被害者にならない様に注意して下さい。

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