外廊下の「排水勾配」について

この処,「内覧会」シーズンで「内覧会同行」依頼が多く,本業の「設計監修」業務が疎かになって私自信ストレスが溜まってきています。

先日行った「内覧会同行」チェックでの初歩的な設計ミスをお話致します。

まず,「内覧会」受付で事務手続きを終え依頼者の住戸前に行った時に何か変な感じが致しました。

その依頼者の住戸の玄関は外廊下をはさんで外側に外階段がありとても暗かったのです。更にその住戸玄関扉は外廊下から3メートル弱のポーチの奥に有りそれも暗い要因でした。

玄関ポーチの照明は共用部分の照明器具が付いており昼間でも点灯していないと玄関扉の鍵穴も良く見えない暗さです。

ところが床を良く見ますと何かが変でした。早速,水平水準器をあててみますと外廊下の床レベル(面の高さ)より住戸玄関扉前の床レベルの方が4~5センチ程度低いのです。

風をともなった横なぐりの雨の時には完全に雨水が玄関扉前に溜まります。

通常外廊下の雨水対策は外廊下の床高を住戸外壁側や住戸玄関扉前は3センチ程度高くして外側に有る側溝へ雨水が流れる様に致します。

この住戸の玄関前方に外階段が有りその踊り場の床の高さが接している外廊下の外側の床高より高くほぼ住戸外壁側に接している所の床高でした。更に悪い事にそこの床高より住戸玄関扉前の床高は2センチ程度低いのです。

完全に設計ミスです。ゼネコンも躯体の施工図(工事の為の図面)を作成する時に良く検討して設計者に意見を具申すべきです。

先程の様な床レベルですと修正するのはかなり難しいです。しかし建築はお金と時間を惜しまずにやればほとんど治ります。

この場合はまず,外階段の外廊下に接する踊り場の床を壊して配筋をやり直し床高を下げてコンクリートを打ち直す事です。そして外廊下の外階段に接している部分も同様にすべきです。
その後,住戸玄関扉を枠と一緒に外壁から外して7センチから8センチ程度上へ上げて,また外壁に設置です。

そして玄関扉下の靴摺(扉枠の下の横桟でステンレス製の物)のレベルまでスロープ状に床高を上げていきます。

この様にすれば風をともなった横なぐりの雨でも玄関扉前には雨水は溜まりませんが時間と費用はかなりかかります。

私は是正指摘で上記の様に具体的な修正施工方法は申しませんでしたが,「外廊下の外階段前の床高が高く,この住戸の玄関ポーチ床高が低いので雨水排水勾配が逆になっているので直して下さい。」とだけ御願い致しました。

この設計者やゼネコンがどの様にして直すかが疑問ですし心配です。

しかし,これでよくゼネコンの社内検査,設計事務所(準大手)の竣工検査,売主の竣工検査が通ったのか不思議でなりません。

将来マンションを購入して御自分で「内覧会」チェックをする時の参考になれば幸いです。

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