「 家具扉 」に「 前蓋用ステー 」の有無の確認を…。

今回はマンションの設計者や売主が購入者( 入居者 )に対して細かい気配りが有るか否かを判定する一つの事例を御紹介致します。

モデルルームの見学の時には,これからお話致します内容をチェックしてみて下さい。

まず,モデルルームになっています住戸の玄関に有りますシューズ用収納の「 家具扉 」を目一杯開いて下さい。左右どちらかの「 家具扉 」が脇の壁や玄関扉枠に当たるケースが多々発生しています。

通常,シューズ用収納脇の壁や玄関扉枠に「 家具扉 」が当たりそうな場合は当たらない様にする為に「 家具扉 」用の家具金物を収納箱天井に設置致しまして,開き角度を制限致します。

尚,上記の事はシューズ用収納だけでなく,住戸内の収納の「 家具扉 」全てに該当致します。

この家具金物を建築用語では「 前蓋用ステー 」と言っています。どの様な物かは下記URLをクリックして御覧下さい。
http://tochigiya.jp/catalogue/sub.php?medium_id=8&sub_id=106

しかし最近は上記の様な仕様になっていないケースが多くなりまして「 家具扉 」が脇の壁等に当たる場所には「 涙目 」と建築現場では呼んでいます,ポリウレタン製の「 クリアーバンパー 」というクッション材( 両面テープ付 )をポッチっと1個貼っています。どの様な物かは下記URLをクリックして御覧下さい。
http://www.mekatoro.net/digianaecatalog/sugat-sougou/Book/sugat-sougou-P1267.pdf#search='%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%BCBS7'

この「 涙目 」と呼ばれていますクッション材が壁等に貼られていますと,「 涙目 」の存在に依りその空間の雰囲気が悪くなります。

特に住戸の玄関の壁等に「 涙目 」が貼られていますと,私はガックリ致します。住戸の玄関は住んでいる方の顔です。私は入居者にとって重要な空間に,何のこだわりも無く平気で「 涙目 」を貼っている設計者や売主の配慮不足を憂慮しています。

上記の話は,マンションの建築仕様の中では細かい部分で恐縮ですが,私共設計者の「 感性 」や「 技量 」が如実に分かる話なのです。

「 住まい 」の壁に「 涙目 」が貼ってある空間で私は子供を育てて欲しくはないと思っています。その様な空間での生活ですと,良い「 感性 」が育たないからなのです。

ちなみに「 家具扉 」に「 前蓋用ステー 」を設置した場合と「 家具扉 」が当たる脇壁等に「 涙目 」を貼った場合の工事費の比較では材料工賃共で1か所に付き約1000円~1500円程度前者の方が高くなります。

通常の専有面積70平米程度の3LDK住戸に於いては2~3か所「 家具扉 」が脇壁に当たる所があります。ですので「 前蓋用ステー 」設置した場合は原価で約5000円弱高くなります。売値では1住戸当たりの価格が約9000円高くなります。

その程度の工事費の上昇でマンションの住戸内空間の質を何のこだわりも無く平気で低下させている設計者や売主が多くなっていますのが現実なのです。

特に最近の新規分譲マンションの住戸内空間の質はこの様な事を含め,かなり悪くなってきていると実感しています。

今回のお話はこのコラム194号『 神はディティールに宿る。 』にも関連した内容ですので参考にお読み戴ければ幸いです。URLは以下です。
https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/194


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