マンション工事のミス発覚に関して…その2

今回は前回のコラム467号『 マンション工事のミス発覚に関して 』の件を更に良い方向にもっていかれればと思いその改善策を私なりに御説明致します。

もう皆様良く御存知の「 ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町 」マンション工事ミスに関して,設計及び工事監理経験者の立場で改善策の御説明を致します。

さて,私は前回467号コラムの最後に「 細野透 先生 」のポータルサイト「 SAFETY JAPAN 」に「 ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町 」マンションの工事ミスに関して詳しく書かれていますので御覧下さいとURLを記入して申し上げました。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20140203/382305/?ST=safety

そして,その後の2月12日に「 細野透 先生 」のポータルサイト「 SAFETY JAPAN 」に「 ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町 」マンションの工事ミスが今後起こらない様にする為に「 問題解決型の内容 」と称して11ページに亘り御説明しておられました。是非御覧下さい。URLは以下です。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20140211/383326/?ST=safety

私は,この「 細野透 先生 」の「 問題解決型の内容 」を端から端まで2回読みました。

このコラムを熟読しました,私の感想は「 細野透 先生 」の穏便な性格が顕著に表れていらっしゃる「 性善説 」的「 正論 」な解決策だと感じました。

私の様に「 海千山千 」の建設会社と「 切った張った 」の激しい交渉の経験が多い者はどうしても「 性悪説 」で解決策を考えてしまいます。

「 細野透 先生 」の解決策で工事ミスを無くすには,マンションの工事を画一化し,システム化する事になってしまうのではないかと理解してしまいました。また「 海千山千 」の建設会社にとっては好都合な話で,ディベロッパーにとっては賛成しかねるのではと危惧いたしました。

その証拠に最近の公共工事で数件の「 競争入札 」が「 入札辞退 」となっています。その結果入札不調になってしまったのです。

公共工事の「 競争入札 」は未だに「 裏談合 」が行なわれていると,私の友人である建設会社の営業の者や設計事務所の営業の者が言っていました。

彼等にも「 裏談合 」を行なう理由が有るそうです。それは公共工事の方が現在,民間工事を受注するよりはるかに利益が出るそうです。その利益が出る公共工事の工事価格を建設業者が一丸となって下げない様に「 裏談合 」を行なって利益確保をしているそうです。

タックスペイヤー( 納税者 )側に立ちますと腹が立ちます。しかし,建設会社や設計事務所の人間としては,民間工事では純利益はほとんどゼロかマイナスですので,公共工事で利益を出さないと会社は存続致しませんので止むを得ないのです。

ここで,話を元に戻して私なりに今回の様なマンションでの工事ミスを少なく( 無くなる事は無い )する提言を大雑把に2つ申し上げます。

まず1つ目はマンション工事に於いて,ゼネコンが建物躯体工事を行なう前に,全ての住戸タイプの平面詳細図を1/20位の大きさで画きその中に構造設計図を見て梁を点線で記入し,更に給排水換気設備図より給排水管やダクトを書き入れて納まるか否かを検討し修正し完全に近い図にするのです。

この図を完全なものにしてから,建物躯体工事のスリーヴを入れたコンクリート型枠図や配筋図を作成し検証し承認してから建物躯体工事を行なえば,今回の様なミスはほぼ防げたはずです。

2つ目の私の解決策はスーパーゼネコンが今までの「 しがらみ 」を断ち切って,下請けの工事会社を減らす事です。現在,ほとんどのスーパーゼネコンは5次下請けまで有るそうです。ですので実際に工事を行っているのは5次下請けの職人さんだそうです。

元請のスーパーゼネコンが人件費が上がったと言っても実際に現場で働いている職人さんの手取りはほとんど変わっていないそうです。1次下請けから4次下請けがピンハネしているからだそうです。

実際に工事現場で働いている職人さんの日当は1万円強だそうです。その結果多くの腕の良いベテランの職人さんが減っているので,今回の様な工事ミスが発生するのだと思っています。

元請のスーパーゼネコンの体質を変えて下請け工事会社を減らし,実際に工事を行っている職人さんにもっと多くの日当を払えば腕の良いベテランの職人さんが来て工事ミスの出ない工事を行ってくれると思っています。

大手設計事務所も同じです。現在マンション工事に於いては,工事監理のみを担当している人は契約社員か,派遣社員がほとんどです。これでは大手設計事務所の工事監理のノウハウを知りませんので,通り一遍の工事監理しかできないので,工事監理ミスが発生し易いのです。

上記,私が申し上げた2つの提言を実行するだけでも,かなり工事ミスは減ると確信しています。

今回の工事ミスに関してはこのコラム416号『 スーパーゼネコン施工のマンションは…。 』でスーパーゼネコンの体質にふれていますので御覧下さい。URLは以下です。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/416

尚,100%完璧なマンション工事は有りません。工場生産品ではないからです。それぞれの場所で手作りの一品生産だからです。ちなみに100%完璧なマンションの設計図書も有りません。工事が始まって現場で設計事務所の工事監理者が納まりをゼネコンや設備会社と調整しているのが実体です。

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