マンション工事のミス発覚に関して…。

今回は既に皆様御存知の「 ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町 」マンションの工事ミスに関して,設計及び工事監理経験者の立場でお話をさせて戴きます。

実はこの情報が私に入ってきましたのは,昨年の末頃に友人の建築関係者X氏からでした。X氏は私に絶対に口外しないのならば内容を話すと,私を信じてほぼ全容を明らかにしてくれました。そして最後にX氏はこの事件が世間に公表されるまでは,口外やコラムに書かないで欲しいと何度も言われました。

そして先日,2月6日に「 朝日新聞」朝刊 社会欄39ページに『 欠陥「 億ション 」販売中止 』という見出しで,大きく報道が出ましたので,やっとこのコラムに私の見解を載せる事ができました。

私も建築家として30年弱,かなりの数のマンションの「 設計及び工事監理 」を致しましたし,現在もマンションの「 設計監修 」や「 工事監理監修 」を行なっていますが,今回の「 ザ・パークハウス グラン 南青山高木町 」の様な初歩的な工事ミスに遭遇した事はほとんど有りませんでした。

「 ザ・パークハウス グラン 南青山高木町 」の工事ミス内容を大まかに御説明致します。

通常,マンションの「 給排水換気設備工事 」の配管やダクトを配置する場合には,コンクリート壁や梁を貫通させて通す穴( スリーヴ )が必要なのです。処が,この物件ではそのスリーヴの数が大幅に不足したまま,コンクリート壁や梁が作られていた事で「 給排水換気設備工事 」の配管やダクトが通せなくなった事が大きな工事ミスだったのです。

そして,その事に気付いた大手設備工事会社( 関電工 )の工事者が,この工事全ての責任を持つスーパーゼネコン( 鹿島建設 )の現場員に伝えたのが昨年の8月だったそうです。更にその事を聞いたゼネコンの現場員は所長と打ち合わせて早急に対処すべきだったのですが,その時点で何の根本的な対処や修正工事が無いままに工事はドンドン進んで行き,最終段階で工事が行き詰った結果,内部告発者に依ってこの工事ミスが明らかになったのです。

本来であれば,昨年8月に大手設備工事者よりスーパーゼネコンへの報告が有った時点でこの件を重大視し,早急に大手設備業者とスーパーゼネコンがそれぞれ本社に報告し,各社の技術研究所( 技研 )の主任研究員達と設計事務所( 三菱地所設計 )の工事監理責任者等を交えて対応策を検討し,実行していれば工事ミスの初めの段階で修正工事ができて,ここまで酷い状況にはならなかったのではないかと想像いたします。

私も約30年前に超高級分譲マンションで,浴室を現場施工のアスファルト防水仕様で設計し高級感を出した物件の工事中に問題が起こった経験が有ります。現場視察中の工事監理の時に問題箇所に気付きました。直ぐに施工会社のスーパーゼネコンの所長に私は技研の人が現場に直ぐ来るように依頼し,対処法を考察し,修正工事を行って事なきを得ました。

ちなみに,今回の工事ミスの発覚が内部告発に依るものだと聞きまして,私は更に驚愕致しました。先程も申し上げました様に,新規分譲マンションの工事中にミスを見つけましたら直ぐに検討し修正工事を行い,もしその修正工事に依って工事が遅れるならばディベロッパーに伝え,ディベロッパーより既に購入した方々への説明及び報告をしてもらうべきではなかったかと思われます。

この重大な工事ミスの公表が内部告発者のブログに依って,隠し切れずに超大手財閥系ディベロッパー,超大手設計事務所とスーパーゼネコン3社が購入者への引渡し約2ヶ月前に公表したとは前代未聞の話です。

克つ,今回この様な大きな工事ミスに関して,ほとんどの報道機関が大きく報道していない事に付いても疑問を持ちました。報道機関が何故,この問題を大きく報道しないのかを鑑みますと,報道機関に何らかの圧力がかかったとしか考えられません。

尚,今回のこの大きな工事ミスの詳細を御知りになりたい方は「 細野透先生 」がポータルサイト「 SAFETY JAPAN 」で詳しく御説明されておりますのでそちらを御覧下さい。URLは以下です。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20140203/382305/?ST=safety

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