建築的観点から予想する「 2014年 」のマンションは…。

皆様,明けましておめでとうございます。

本年もこのコラムを御笑読戴き感謝致します。

さて,今回は年の初めですので「 2014年 」に販売されるマンションの傾向を建築的観点から予想致します。

まず,建築工事費の高騰と仕入れたマンション用地の値上がりに依り,今年分譲されるであろう新規分譲マンションの販売坪当たり単価は昨年より最低10%以上は価格が上昇すると思います。

しかし,購入者の収入をみますと,ほとんどの企業では給与は上昇していませんし,新聞で報道されているアベノミクス効果の数値は実体経済とはかなり異なっていると私は感じます。

ですので,1住戸当たりの販売価格( グロス単価 )を高くする訳にはいきません。その結果,販売坪当たり単価が上昇した分,住戸面積を狭くし,グロス単価を昨年並みに抑えてくると予想しています。

もう,既に大手ディベロッパーが住戸面積60平米弱の狭い3LDKを売り出そうとしている情報が聞えてきましたので,私の予想を裏付けている証拠とも言えそうです。

「 マンション業界 」は原価が高くなると,いつもこの手法で何とか凌いでいますが,購入者( 入居者 )にとっては何のメリットもありません。約30年以上に亘りマンションの設計業務等を行なっている私から見れば,何回この手法で販売してきたかと振り返りますと「 マンション業界 」は厚顔無恥な懲りない面々が多いのだなぁ…と思ってしまいます。

ここからは「 2014年 」のマンションの中身を建築的観点から細かく予想いたします。

まず良い面では「 スマートマンション化 」( MEMSやHEMSの採用 )が積極的に取り入れられると思います。尚,MEMSやHEMSに関しては後日コラムで詳しく御説明致します。

次に良い事は建物の構造面では「 制振構造 」や「 免震構造 」を積極的に採用するマンションが増加する事です。これは昨年( 2013年 )にほぼ毎日,日本中のどこかで地震が発生したので「 地震対策は万全 」と購入者に安心感をいだかせる配慮です。

その次に言える事は良く無い事です。それは板状の建物になっている中高層マンション( 高さ60メートル未満・18階建てまで )の住戸のプランの事です。私が昔から申し上げています「 羊羹の輪切り型 」マンションの住戸プランの事です。「 羊羹の輪切り型 」マンションの住戸プランは,ほとんどがこの30年続けてきた「 田の字型 」プランです。この「 田の字型 」プランを更に狭くし,入居者への配慮の欠けた住み辛い狭小住戸が出てくると予想致します。

そして,高さ60メートル以上の超高層マンションの住戸プランは更に悪くなります。具体的に申し上げれば,塔状のタワーマンションの住戸は角住戸以外の中住戸は,一面しか外部に面していませんので,昨年までは中住戸の外部に面している間口寸法が広かったのです。その様に致しませんと3LDK住戸の各部屋の直接採光が確保できないからなのです。

しかし,2014年のタワーマンションも原価が高くなりますので,住戸のグロス価格を抑える為に1住戸の面積を狭くしなければなりません。

その結果,タワーマンションの中住戸の外部に面している間口寸法を狭くするしかないのです。その様に致しますと,タワーマンションの唯一のメリットである眺望の良さが損なわれますし,3LDK住戸の3部屋の内の2部屋が外部に面さずに「 間接採光 」の息苦しい部屋になってしまうのです。

ちなみに「 間接採光 」の部屋は建築基準法に依り,出入口の扉は引戸にしなければならないのですので,開き戸と比較致しますと,隙間が多くなりますのでプライバシーも損なわれます。

さて,ここで「 マンション業界 」の方々に私の提案がございます。

それは,グロス価格が10%~15%上昇致しましても,立地の良い所であれば,住み易く個性のある住戸プランを作り分譲する事です。私の実体験で申し上げれば,住み易く個性のある住戸プランを理解し,賛同してくれる方は収入や知性が若干高い方が多いですので,10%~15%の価格上昇よりも,住み易さと個性あるプランを重視します。それで,購入に結び付く事になります。

2014年後半には住み易い個性豊かな住戸プランが出てくるのを期待しています。

そして,マンション購入を予定している方々もその様な住戸の購入をお奨め致します。


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