外壁厚さが15センチでも要注意。

以前,このコラムの13号で「マンションの外壁はダブル(複列)配筋のコンクリート壁が良い。」と書きました。13号の内容は外壁が「鉄筋コンクリート壁」と「ALC版」の比較を主に説明致しました。

今回は外壁の鉄筋コンクリート壁の厚さが15センチでも要注意なのであえて再び警鐘を鳴らします。

まず,「日本建築学会」の「構造規準書」の中に「建物外壁のコンクリート壁の配筋は複列配筋(ダブル配筋)にする事。」と謳っています。しかしこの規準は「法的拘束力」は有りません。

日本の建築基準法では建物の確認申請提出時に添付する「構造図」「構造計算書」は上記の「日本建築学会」の規準を無視しても構造計算上正しければ確認申請は確認されて通ります。(確認申請は許可では無く,建築基準法に合致しているかを役所や委任を受けた第三者機関がチェックするだけです。)

先日,あるマンションの「現地同行」チェックを行った際にメインパンフレットの中に外壁の断面の絵が書いてありました。その絵を良く見ましたら「鉄筋コンクリート壁,厚さ15センチ」と書いてありましたので疑いもせずに「ダブル配筋」のコンクリート壁だと思い私のチェックリストに書き入れました。

その後,そのマンションの販売事務所に依頼者と行き設計図書の「構造図」を見ましたら唖然と致しました。「構造図」の中の「各階平面伏図」の外壁の所を見ましたら記号が書いて有りませんでしたので,その図面内の「特記事項」をチェック致しました。

「特記事項」の中には「特記の無い壁はW15とする。」と書いて有りました。直ぐに「壁断面リスト」を開いて「W15」壁の配筋をチェック致しました。

なんと「W15」壁は複列配筋(ダブル配筋)では無く「シングル配筋」でした。通常,鉄筋コンクリート壁で厚さ15センチですと「ダブル配筋(チドリ型)」です。

もう,びっくりです。このコラム13号でも書きました様にシングル配筋の鉄筋コンクリート壁はちょっとした地震でも「クラック(ひび割れ)」が入り易いのです。そしてその「クラック」から雨水が住戸内に浸入し易い訳です。

この様に建物では大切な部分であるが購入者には分らない所でコストダウンをしている物件を作っている売主や設計者は「確信犯」です。

建物の最低の存在価値は「雨露をしのげる事」ですからその様な物件は他の部分でも目に見えない所で仕様を落としているので要注意です。

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