不動産表示では徒歩1分を80メートルとしているが…。

今回は私が前々からチョットね…と思っていました,不動産表示での徒歩1分=80メートルに関してのお話を致します。

徒歩1分=80メートルですと,人の歩く早さを時速に換算致しますと時速は4.8キロメートル/時になります。この数値は成人男子が坂等が無い平らな舗装された道路を歩いている数値です。

ある資料では平らな舗装された道路を歩いた場合,成人男子の徒歩1分は80メートルですが,成人女子の徒歩1分は約70メートルで子供の徒歩1分は平均約60メートルだそうです。尚,成人でも65歳~72歳の方々の徒歩1分は平均で55メートルだそうです。

これらを時速に換算致しますと,成人男子の時速は4.8キロメートル/時,成人女子の時速は4.2キロメートル/時,子供の平均時速は3.6キロメートル/時で65歳以上の成人の平均時速は約3.3キロメートル/時になります。

これらの数値を鑑みますと,不動産表示の徒歩1分が80メートルに設定されたのは,坂等が無い平らな舗装された道路を歩いている数値ですので,その様な最寄り駅等からのアプローチ道路が平らな物件は現在ほとんど有りませんので,そろそろ見直す時期ではないかと思っています。

新規分譲マンションに表示されている,最寄り駅より徒歩の所要時間は平らな机の上に地図を広げて,物件から最寄り駅までの道のり( 距離 )の長さを測り,測定値を80メートルで割った数値が徒歩○分で表示されています。

都心3区( 千代田区,中央区,港区 )であれば,ほとんどの場所が平らで坂等は少ないですが,それ以外の地域の物件では最近は最寄り駅より物件までの間の道路に坂等は大抵有るのです。

先日「 購入相談 」された30歳代後半の女性の方が私に「 今回相談する物件の前に検討した物件の物件概要には駅より徒歩10分と書いてあったから行ってみました。実際に歩きますと駅より物件までの道路にアップダウンが有り,健脚な私でも徒歩13分かかりました。ですのでその物件の検討は止めにしました。そして,今回相談致しますのは物件概要には最寄り駅より徒歩8分表示で,実際に歩きますとほぼ平らでしたが,徒歩9分弱かかりましたが,徒歩10分未満ならばと思い,碓井さんに購入相談を依頼致しました。 」と御会いして直ぐに言われました。

不動産表示の徒歩1分=80メートルの規定は見直す時期にきているのではないかと思います。例えば坂が1箇所有れば徒歩1分=70メートルにし,2箇所有れば徒歩1分=60メートルにする様,規定に付記をするのです。更に,物件と最寄り駅の間に幹線道路の信号待ちや,開かずの踏み切りが有る場合は徒歩○分表示に1分~2分程度のプラスも規定に付記して欲しいものです。

100歩譲って申し上げれば,最近は専業主婦が減り,奥様( 女性 )も働いている方が多いので,成人女性の徒歩1分=70メートルを不動産表示の基準にしたら如何かなと思います。

また,高齢者( 65歳以上 )向きのマンションでしたら徒歩1分=約55メートルにすべきだと思います

尚,マンションを購入を検討している方々に申し上げたいのは,家族全員で最寄り駅から物件までと,物件から最寄り駅まで1往復し,所要時間を絶対に測って確認して下さい。片道だけでは後で後悔いたしますので,しつこい様ですが絶対に往復して下さい。

ちなみに,私の家は最寄り駅まで行くには,かなり下り坂が多いのですので所要時間は徒歩12分ですが,その最寄り駅から我が家まで歩きますと,きつい上り坂が多くになりますので,徒歩15分になってしまいます。

私の独断と偏見で申し上げれば,マンションと戸建を比較しての,大きなメリットは交通利便性が高いという事です。交通利便性とは沿線の利便性だけでなく,最寄り駅からの所要時間をも含む事を言っています。

私は常に「 最寄り駅より徒歩約3分離れて徒歩8分以内の地域がベターです。 」と言っています。何故,最寄り駅より徒歩約3分離れた方が良いかと申し上げますと,駅周辺の半径200メートル~250メートル以内の区域はほとんどが「 建築基準法 」上の「 商業地域 」だからなのです。

「 商業地域 」はオーバーに申し上げれば「 建築基準法 」の無法地帯なのです。「 商業地域 」に建ったマンションの南向き住戸を購入し,入居して2年~3年も経たない内に,目の前に高層建物が建ち,全く日影の身になってしまうケースが多々生じています。また,子供の教育にとって良しとしない「 風俗店 」等も建設可ですし,更に「 飲食店 」が近くに有れば,調理の臭気が吸気口より住戸内に入ってきます。この様な理由で最寄り駅より徒歩約3分離れた方が良いと申し上げているのです。

現在,新築及び中古マンションで売れ行きの良く無い物件は最寄り駅から徒歩10分超( 800メートル超 )とバス便( バス利用 )の物件です。これらの物件は将来買い替えの為に売却する時のリセールバリュー( 再販価格 )が極端に下がるそうです。

最近,これらの物件は竣工後1年以上も完売していないケースがとても多いのです。私の家にもしょっちゅう新聞の中にその様な物件が数件,折込チラシで入ってきます。

くどい様ですが,マンションのメリットは戸建に比べて交通利便性が勝っている事ですので「 最寄り駅より徒歩約3分離れて徒歩8分以内の地域 」に絞ってマンション購入を検討して戴きたいと思います。

尚,更に私が今回のコラムで申し上げたいのは,現在日本はドンドン高齢化社会になりつつあり,また女性の社会進出が今後益々増加致しますので,不動産公正取引協議会もそろそろ,徒歩1分=80メートルを見直す時期ではないかと思いますが如何でしょうか…?

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