「 下がり天井 」部分の「 天井高 」表示の明記は…。

前回は居室の広さの帖数表示の明記に関してお話致しました。

今回は居室の「 天井高( CH ) 」の表示の明記に関しての御説明を致します。

まず「 天井高 」の定義からお話致します。
「 天井高 」とは,床から天井までの高さの事で建築基準法では一般の居室( 居住・執務・娯楽等の目的の為継続的に使用する室の事で浴室,便所等は居室では無い )に於いては2.1m以上必要と定められています。

「 天井高 」の定義はお分かり戴けたと思います。しかし,分譲マンション住戸の居室の天井に於いては1つの居室の天井の全てが平らでは無い場合が数多く見受けられます。それは,居室天井の一部分が下がり「 下がり天井 」が生じているケースなのです。今回はその事に関しての具体的な御説明とワーニングを致します。

私が危惧を感じて皆様にワーニングしなければならないと感じていますのが,居室内に「 下がり天井 」が存在している場合,販売用図面集内の住戸プランの中へ点線で「 下がり天井 」の表示はしていますが,「 下がり天井 」の「 天井高 」を表示し明記していないケースがあまりにも多いという事です。

例えば「 下がり天井 」が居室の壁の上の天井の隅に存在し天井より30センチ以上も下がっている場合に「 下がり天井 」の「 天井高 」を表示し明記していませんと,購入者( 入居者 )の方が高さの高いタンスや収納棚等が壁を背にしてピッタリと置けない場合が生じてきます。

また,居室の出入口扉の上に「 下がり天井 」が有り,その為に出入口扉の高さが約1.8メートル位になっていたケースも生じ,購入者( 入居者 )と揉めたケースが有ります。出入口扉の高さは,人間工学上では,身長プラス30センチが妥当な高さと言われていますので,最低2メートルの高さは必要です。

このケースでは「 下がり天井 」の「 天井高 」表示の明記が無かったので,購入者( 入居者 )は内覧会で初めて気付き「 キャンセル 」を申し出たのです。その結果,手付金没収になったそうです。手付金没収の理由は契約時の「 重要事項説明 」で「 下がり天井 」の「 天井高 」の説明義務は「 宅地建物取引業法 」で規定していないからだそうです。

更に最も悪い居住空間になってしまう「 下がり天井 」は「 大梁・小梁 」やダクトの周囲を箱型にしている俗に言う「 梁型 」が居室の中央付近に存在するケースです。

以前,私はこのコラムでこのケースを「 ギロチンマンション 」と呼び,コラム16号『 「 ギロチンマンション 」は購入者への配慮が全く無い。 』と書きましたので参考に御読み下さい。URLは以下です。
https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/16

この「 大梁・小梁 」や「 梁型 」は「 下がり天井 」の範疇ですので点線での表示のみでなく「 天井高 」の表示を明記するべき部分ではないでしょうか…?

私の「 購入相談 」や「 現地同行 」の経験から申し上げますと,マンション住戸内全ての「 下がり天井 」の全ての部分の「 天井高 」表示を明記し販売図面集内住戸プランに記入していますのは「 三井不動産レジデンシャル 」のみなのです。たまには購入者に良い配慮をしているディベロッパーの名前を出してもイイかな…って思い社名を書いてみました。

但し注釈が付きます。それは「 三井不動産レジデンシャル 」が1社で分譲しているマンションの販売図面集のみです。「 三井不動産レジデンシャル 」が他社とのJV( 複数の売主が共同で事業を行う組織 )での分譲マンション事業の場合は全ての「 下がり天井 」の「 天井高 」表示を明記し販売図面集内住戸プランに記入をしていないケースがかなり見受けられます。

私は全ての「 下がり天井 」の全ての部分の「 天井高 」表示の明記を販売図面集内住戸プランに記入させる事を「 宅地建物取引業法 」を改訂し,規定するべき重要な事柄だと進言致します。更に,罰則規定も付記すべきだと思います。

ちなみに,国土交通省の「 宅地建物取引業法 」内にはこの規定が有りませんし,不動産公正取引協議会の規定にも書いて有りませんでした。

余計な事かもしれませんが「 宅地建物取引業法 」担当部署と「 建築基準法 」担当部署は同じ「 国土交通省 」管轄です。ですので,この2つの部署がお互いに定期的に会合を持ち「 宅地建物取引業法 」をもっと厳しく改定し,不動産購入者を守る事が不可欠だと私は感じております。

現状のマンション業界の体質では,購入者が購入前に全ての「 下がり天井 」の全ての部分の「 天井高 」を知るには販売事務所に置いて有る「 設計図書一式 」内の「 矩計図 」( かなばかりず )でチェックする方法しか無いのです。設計者が作図し,売主に提出した「 設計図書一式 」の中には必ず「 矩計図 」は入っております。

「 矩計図 」とは大雑把に申し上げれば建物の縦断面詳細図の事ですので,大抵は全ての「 下がり天井 」の全ての部分の「 天井高 」の表示を明記しています。

処が三流の売主の販売事務所に置いてある「 設計図書一式 」の中には「 矩計図 」が無い場合が有ります。これは明らかに故意に顧客に見せない様にしていますので,その様な物件の購入は差し控えた方が賢明です。

マンション購入は高価な買い物ですから,この様なチェックでも売主の一流・三流が判断できますので試してみて下さい。

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