全住戸が角住戸で多面通風採光のマンションが出現

前回このコラムで屋内廊下形式のマンションの住戸の外壁が1面しか外部に面していませんと,窓が多く設置されていましても,通風は期待できないという事をお話致しましたが,それとは全く逆の全住戸が多面型で克つ屋内廊下型の新規分譲マンションを見つけましたので,皆様にお話致します。

まず,この新規分譲マンションの物件概要を大雑把に御説明致します。

売主は超大手ディベロッパーで施工は今年4月に合併しました準大手ゼネコンです。立地はJR中央線のかなり郊外の駅より約徒歩4分の場所です。

総戸数は70戸弱で構造は鉄筋コンクリート造地上14階建てです。販売坪当たり単価はこの地の相場に比べて高めの価格が予想されますが,外壁の量が多いので工事費が割高になった結果だと推測致します。
尚,竣工予定は2015年( 平成27年 )中旬だという事です。

さて,このマンションのHP内のデザイン欄を見ますと,3階~9階までの基準階( マンションの基準となっているフロアー )のフロアープランが書いて有りました。

その基準階のフロアープランは,屋内廊下,屋内階段や屋内エレベーター及び屋内エレベーターホール周りに6つの住戸を割り付けてゾーニング( 空間の分配,配置 )されており,その全ての6住戸のフロンテージ( 間口寸法 )は8m以上で,角住戸になっておりました。その結果,住戸の外壁が多面になって,通風採光の良い住戸になっているのを見ました時は感心致しました。

この物件の商品企画は売主内の優秀なプロジェクトマネージャーが行なったそうです。

更に,この物件HP内の間取り欄を見ましたら,4タイプの住戸プランが載っていました。それぞれの住戸プランを良く見ますと全ての部屋が外部に面しており,「 田の字型住戸 」の横長リビング・ダイニングプランに有る,間接採光の中洋室( 中和室 )の様な部屋は1つも無く,全ての部屋が外部に面していましたので,その事にも感心致しました。

その様に良いマンションならば,通常はマンション名を公表致し,お奨めするのですが,物件のHPをくまなく見ましたら,私には許容できない点が4つ有りましたので物件名の公表は避けさせて戴きます。

まず1つ目は,このマンション南東方向の直ぐ近くにある最寄り駅の脇で再開発事業が行われている事です。その再開発事業でこの( 同じ )売主が近々に32階建てのタワーマンションを建てて分譲するという事です。この事は,近い将来このマンションは再開発事業の32階建てマンションの日影をまともに受けるという事で,倫理上如何なものかと,この売主の会社の体質や倫理観を疑ってしまいました。

2つ目は,間取り図を良く見ましたら,外壁部分の面積の約半分近くが14階建て( 高さ45m以内 )にもかかわらず,鉄筋コンクリート造では無くALC版を採用している事です。通常,建物高さが60m以上のタワーマンションであれば,建物を軽くする為に外壁にALC版を採用するのも止むを得ませんが,高さ45m以内ですのでこの事には納得できません。ちなみに,この事が私がタワーマンションを良しとしない理由の1つでもあります。

3つ目は,住戸間の戸境壁が全て鉄筋コンクリート造では無く「 乾式工法 」のボード貼りの仕様で,隣戸同士の遮音性が劣り入居者に気遣いが無いと感じられました。この「 乾式工法 」の戸境壁は建物を軽くしなければならない,タワーマンションでは採用せざろうを得ません。この事も私がタワーマンションを良しとしない理由の1つでもあります。

最後の4つ目は,物件HPの概要では販売予定価格が未定となっていましたが,売主に近い知人曰く、当物件はエリア相場を上回る価格が設定されるようです。ちなみに,この地域のマンションの順当な販売坪単価は200万円前後が相場だそうですのでチョットね…です。

以上が,私の独断と偏見で許容できない4項目です。

この4項目が許容できる方には,お奨め物件です。

この売主の物件は,最近かなり良くなり,供給量も増えましたので,超大手ディベロッパーの仲間入りを致しました。超大手ディベロッパーになったのですから,会社の体質や倫理観も一流になって欲しいものです。

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