住戸外壁が一つの面のみですと窓が多数設置されても通風は期待できないのでは…。

今回は,以前「 購入相談 」されたX氏より,受けた質問が皆様の参考になると思いましてコラムに致しました。

そのX氏が「 購入相談 」で購入検討されていました,新規分譲マンションは地上5階建てで屋内廊下が建物の中央に一直線に走っていました。

そして,その屋内廊下の両側と両端部に住戸が配置されていました。

「 購入相談 」されたX氏の購入予定住戸は「 中住戸 」なので,外部に面している外壁は一面のみでした。そのX氏は春と秋はエアコンや機械換気設備を使わずに自然の空気の通風の中で暮らせるのがマンション選択の第一優先で,住戸の通風に関しては非常に関心が有る人でしたので,私に相談を依頼してきました。

私に相談の前に,X氏は購入検討していましたマンションの販売事務所で販売員に「 この住戸の通風は期待できますか? 」と聞いたそうです。そのマンションの販売員は「 窓が3ヶ所も有るのですから,空気は住戸内で回転して良く通風致しますので大丈夫です。 」という回答だったので疑問を感じたそうです。

その疑問の為に私に「 購入相談 」を依頼されたと言われました。私はその事を聞きびっくり致しました。

あまりにも,不勉強な販売員が建築に疎い購入検討者の質問にいい加減な回答をして,購入契約に結び付けようとする姿勢に対して唖然と致しました。

「 住戸の外壁は一面のみ外部に面していますので多くの窓を設置しても,通風は期待できません。その代わりに機械換気システムで強制換気はしております。 」と言うのが本来の回答ではないでしょうか…。

具体的に申し上げますと,住戸外壁が一面のみで,外部に面している場合,外壁に設置されている多数の窓を全開されても,外部から窓に向って入った空気の流れは同じ向きの空気( 微風 )ですので,住戸の中でUターンし,いずれかの窓から出て行く事はまず皆無だと思って下さい。

屋内廊下タイプのマンションの住戸で通風を期待されるのならば角住戸しか有りません。
角住戸ですと窓が設置されている外壁が二つの面で違う向きですので,それぞれの外壁に設置されている窓を全開されましたら,外部空気の流れの向きが異なりますので,住戸内の各々の部屋の扉を開けておけば,通風は確保できます。

ちなみに,平成15年( 2003年 )7月施行の改正建築基準法「 24時間換気設備の設置義務 」に関する機械換気設備の能力の規定は「 住戸内の全て空気を2時間に1回以上,総入れ替えが可能な能力を有する機械換気設備を設置する事 」となっています。

私の独断と偏見の見解では,この程度の能力の機械換気設備に依る室内の空気の流れは,ほとんど身体に感じませんので,X氏が要望しています通風感は得られないと思いその様にお伝え致しました。

X氏は私に「 やはりそうでしたか…。マンションは一生に一度の大きな買い物ですので,碓井さんに相談して良かったです。 」と言われたのは良い気分でした。

このコラムを御読み戴いている方々に申し上げます。マンションの住戸で一つの面( 外壁 )のみしか外壁がない住戸の外壁に窓が多数設置されても住戸内の通風感は全く期待できませんので…覚えておいて下さい。

----------------------------------------------
◇ 碓井建築オフィスによるサービスはこちらから
マンション購入相談/モデルルーム・現地同行チェック/内覧会立会い
http://www.sumai-surfin.com/service/usui-office/index.html

連載コラム

特集

もっと見る