各戸に専用の防災備蓄倉庫を設置した物件

今回は新規分譲マンションの全住戸に専用の防災備蓄倉庫を設置致しました物件のお話を致します。

物件の概要を大雑把に申し上げますと,売主は超大手ディベロッパーで,物件の立地は関西圏です。総戸数は100戸弱で鉄筋コンクリート造地上7階建てになっております。販売開始は今年の11月からだそうです。

この物件,全戸のバルコニー又は玄関ポーチの柱と一体化してトランクルーム形状の防災備蓄倉庫を設置したのです。各住戸の防災備蓄倉庫の大きさはマチマチで幅40~80センチ,奥行きは50~55センチで高さは1.8~2.6メートルだそうです。尚,防災備蓄倉庫面積は容積率算定の床面積からは除外の適用が受けられたそうです。

防災備蓄倉庫の中は可動棚板2枚で3段に分かれております。内部の内容を詳しく御説明致しますと,上段には大小便用袋やキュービージャグ( 給水用ポリ容器で災害時の給水,避難生活用水の確保に用いる防災用品 )など軽くて使用期限のないものを収める様に設定し,出し入れがしやすい高さの中段には賞味期限に合わせて管理が必要な食料品を保管する様に設定し,下段には水など重いものを保管する様に設定された事を謳っています。

この各戸別防災備蓄倉庫を開発したのは,マンション内の設備や収納などに関して顧客の声を取り入れながら研究開発を進めております,この超大手ディベロッパーの社内機関の商品企画系の部署だそうです。その部署の調査に依りますと,顧客が心配し,困っていることの第1位が「 防災用品を収納する場所がない 」という事が発端だという事です。いざというときに取り出し易く家族全員が分かる場所に,1カ所にまとめて収納したいという要望に踏まえて開発したという事だそうです。

但し,今後の新規分譲マンション全てに設置するか否かは,物件各に検討するそうです。

その理由は,私の予想では多分,関東圏の特定行政庁はこの防災備蓄倉庫の面積を容積率算定床面積よりの除外適用をしてくれないと予想するからです。関西圏の特定行政庁が容積率算定の床面積からは除外の適用したのですから,関東圏の特定行政庁も同様の扱いをすれば良いのではないかと思っていますが,関東圏の特定行政庁は最近かなり厳しいですのであまり期待できないのでは…と感じています。

この物件,防災備蓄倉庫を全戸に設置されたのは良いのですが,この物件には唯一残念な事が私には感じられます。

それは,設計・施工を行なう会社( ゼネコン )がイマイチなのです。

その理由は,このゼネコンは昨年( 平成24年 )9月には代表取締役の社長を含め役員3人が国土交通省住宅局から「 一級建築士懲戒処分 」を受け6ヶ月間一級建築士の業務停止になり,更に今年( 平成25年 )9月末頃の新聞記事に依りますと東京国税局に税務調査を受け,25億円の所得隠しをし,修正申告をさせられた事です。

この2件の不祥事で本来は社長が責任を取って辞任をするのが真っ当な会社だと思います。
処が,この会社の社長は辞任もせずに相も変わらずの社内体質維持で,マンションの設計・施工を行なっている事を見ていますと,私は異常にしか思えません。

私は入居者の立場に立って約30年前よりこのゼネコンを見ていますが,このゼネコンの社内体質や工事等の質は一向に良くなっていく気配は感じられません。

防災備蓄倉庫を全戸に設置された売主の超大手ディベロッパーの体質は昔に比べてかなり良くなってきていますので,設計と施工を依頼された会社( ゼネコン )がイマイチなのが残念に思えてなりません。

売主が良く,新しい施設を設置致しても,設計・施工を行なうゼネコンがイマイチでは,その物件の評価は上がりませんね…。ディベロッパーの方々も新規分譲マンションを企画する時には設計・施工を依頼するゼネコンを充分吟味して下さい。


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