壁紙の貼り具合のチェック-2

今回は前回の続きで「 内覧会 」同行チェックで私がかなり重点的に見る箇所である「 壁紙の貼り具合のチェック 」の二つ目を御教え致します。皆様もご自身で「 内覧会 」チェックをされる時に参考になるのではないかと思います。

前回は壁紙のつなぎ目の良否の話でした。

今回は住戸内の壁紙と木製扉枠や巾木( 壁の最下部に取り付ける横方向に細長い板 )と取り合いの所のチェックのお話を致します。

具体的の御説明致しますと,住戸内の木製扉の三方枠の脇や巾木上端に壁紙が全く隙間無く,上手に貼られているかです。

ちなみに,この「 全く隙間無く,上手に貼る 」という事はよほど良い職人さんで無ければまず無理です。工事費が潤沢な「 高級マンション 」でさえもたまにしかお目にかかれません。

上記の事を頭の片隅において,木製扉の三方枠脇に隙間が目立たなく壁紙が貼られているか否かをチェック致しましょう。腕の悪いクロス屋さんが貼った壁紙は,木製扉の三方枠脇と壁紙端部との間に約1ミリ以上の隙間が生じており,その隙間が結構目立ちます。

そこで質の悪いクロス屋さんはその隙間の処理を壁紙とほぼ同色のコーキング材を用いてノズルの細いコーキングガン( コーキング材の押し出し機 )で隙間の上に約2ミリ弱幅程度のシールし,隙間を塞いでしまうのです。

さて,コーキング材でシールして隙間を塞ぐ事が,なぜ悪いかの理由を申し上げます。

コーキング材はほとんどがシリコン系の樹脂で,埃や塵が附着し易く,更に黒カビが発生し易いのです。入居後約2~3年後位でそのシール部分が真っ黒になりとても目立ちます。

ですので私は「 内覧会 」同行チェックでその様な箇所が有りましたら,シールの除去とシール除去に依って傷が生じた壁紙を剥がしてもらいます。

そして,新たな壁紙を貼り木製扉の三方枠脇の所で約1ミリ幅前後壁紙を折って,木製扉三方枠脇側面にかぶせてもらいます。この方法が現在一番良心的な木製扉の三方枠脇と壁紙との隙間塞ぎです。

尚,前回も申し上げました通り,木製扉の三方枠周りのクロスだけ貼替えますと,同じ品番の壁紙であってもロット( 製品単位 )に依って若干色が異なりますので,その壁面全体の壁紙を貼り替えてもらいます。

上記の件は壁紙が巾木と接する所も同様ですので,チェックが欠かせません。若し壁紙と巾木上端に目立つ隙間が有りましたり,シールで塞いでいましたら,先程御説明致しました様に既存のシールや壁紙を剥がし,新たな壁紙下端を約1ミリ幅弱程度手前に折り曲げて,巾木(厚さ約6ミリ )の上端にかぶせる様にしてもらいます。やはりこの方法が現在は巾木と壁紙の隙間の塞ぎには一番良いのです。

日本では,住戸内の木製扉の三方枠や巾木の表面仕上げはオレフィンシートを貼っていますが,その下地材はパーティクルボードやMDFという木質系の製品ですので,湿度に依って伸縮を繰り返しています。その結果,木製扉三方枠や巾木と壁紙との取り合いの所で隙間が出来てしまうのです。その様な理由で,先程私が申し上げた様な処理の仕方が一番良い方法なのだと先輩から教わりました。

この隙間塞ぎに,コーキング材のシールで竣工検査をパスさせている売主,設計事務所やゼネコンは顧客への配慮不足の会社だと私は思います。最近,良いゼネコン( 大手とは限らない )の工事では住戸内の隙間隠しは,なるべくコーキング材でのシールをせず,先程私が申し上げた良い方法で処理しています。

今回も木製扉枠や巾木と壁紙の取り合い部分のチェックのお話でだいぶ長くなりましたので,続きは次回に致します。

次回も「 壁紙の貼り具合のチェック 」三つ目の壁紙を貼った後の凸凹の処理の仕方や,壁紙の修正工事の良く無いやり方のお話をいたしますので楽しみにして下さい。


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