配慮あるトイレの扉

今回は先日見ました新規分譲マンションのモデルルームで設計者のチョットした配慮のお話を致します。

そのチョットした配慮は住戸内のトイレの扉を開閉するドアハンドルの選択でした。些細な事ですが,これには感心致しました。

では,具体的に御説明いたしますと,通常マンションや住宅のトイレの扉にはレバーハンドル( 鍵付き型 )を設置して開閉しています。

トイレに入る時にレバーハンドルで扉を開ける時は,ハンドル状のレバーを下方に押し下げて,そのレバーを手前に引き寄せて扉を開けます。かなりのお歳の高齢者の方にとっては面倒な様です。

ちなみに日本のマンション住戸内のトイレの扉は中で人が倒れた時に救出し易い為に外開き( 廊下側に開く )形式になっています。

私が感心致しましたのは,先日拝見した新規分譲マンションのモデルルームのトイレの扉のドアハンドルにプッシュプルハンドルが設置されていた事なのでした。

プッシュプルハンドルとはハンドルの形が板状のプレートで扉を開く時には,そのプレートの端部内側に手を掛けて手前に引き寄せますと,トイレの場合は外開き形式ですので,廊下側方向に扉が開くのです。

そして,トイレの中から扉を開ける時は先程の板状のプレート端部を表面から押せば扉と共に簡単に開きます。この金物をトイレ扉に採用された設計者は配慮ある設計をされる方だと想像致します。

費用の点で申し上げれば,木製扉用のプッシュプルハンドル( 鍵付き型 )は通常のレバーハンドル( 鍵付き型 )に比べて,価格は定価( 上代価格 )で約4千円高いのです。私の独断と偏見で申し上げれば現場納入価格( 下代価格 )では,僅か約2千円位,プッシュプルハンドル( 鍵付き型 )の方が高価なのです。

尚,約15年位前から徐々に玄関扉の開閉金物にはこのプッシュプルハンドルが採用され始め,現在新規分譲マンション住戸の玄関扉の開閉金物はほとんどプッシュプルハンドルが採用されています。玄関扉の開閉は重いのでプッシュプルハンドルであれば子供や高齢者の方々も開閉し易いのですが,鉄製扉用のプッシュプルハンドルはかなり高価ですので直ぐには一般のマンションには採用されませんでした。

これから日本は高齢者が増え,高齢者が楽に住まえる住戸を設計しなければなりませんので, プッシュプルハンドルをトイレ扉に採用した件はチョットした配慮ですが,感心致しました。

今回は売主( ディベロッパー )を説得し,トイレの開閉金物に若干高価なプッシュプルハンドル( 鍵付き型 )を採用し,実行された設計者の方に同業者の私にとっては目から鱗状態で拍手を送りたいと思い,皆様にお話を致しました。

尚,私はこの新規分譲マンションのモデルルームを参考にして,今後新規分譲マンションの設計監修の時には,トイレ扉だけでなく,リビング・ダイニング( LD )の出入口扉にもプッシュプルハンドル( 鍵無し )設置のメリットを売主( ディベロッパー )に説明し説得をして実行しようと思いました。

売主( ディベロッパー )には『 買い物から帰った時に両手に買い物袋を提げてLDの扉がレバーハンドルですと開けるのは結構面倒です。プッシュプルハンドル( 鍵無し )であれば板状のハンドルを肘等で押せば簡単に扉がLD側に開きますので喜ばれると思います。 』と説明するつもりです。

このコラムを御笑読戴いた,売主( ディベロッパー )の方や,設計者の方々が,上記の件を実行される事を期待致します。多くのマンションでプッシュプルハンドルが採用されれば価格も下がりますので,是非実行して戴きたいと存じます。


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