「 L字型配棟 」の注意点は…。

今回は先日行なった,新規分譲マンションの「 現地同行 」チェックでのお話を致しましょう。

依頼者に御会いし,まず依頼者に御持参戴いた新規分譲マンションの「 物件資料 」一式に目を通しました。

そして「 物件資料 」一式の中の販売図面集の1階平面図を見ましたら,建物配置が「 L字型配棟 」でした。この「 L字型配棟 」の「 羊羹の輪切り型 」にして配置された住戸の向きを良くみましたら,ちょっと違和感を感じました。それは全ての住戸の向きがL字の外側に向いていなかったのです。

具体的に申し上げますと,この物件L字の横線部分外側( 下側 )が真南向きなので,横線の部分の棟に「 羊羹の輪切り型 」にして配置されている住戸はそのまま真南向き住戸でした。これは順当です。しかし,問題はL字の縦線の棟に配置されている住戸の向きでした。

この物件の方位で言えば,L字の縦線の棟を「 羊羹の輪切り型 」にして配置されている住戸の向きは通常,西向きに配置を致します。処がL字の縦線の棟の外側( 左側 )には外部廊下が配置され「 羊羹の輪切り型 」にして配置された住戸の向きは東向きで中庭に向いていたのです。中庭と言ってもそのスペースのほとんどは,立体機械式駐車場なのです。

更に,良くない影響を与えたのは,この新規分譲マンション「 L字型配棟 」の縦線部分の棟と横線部分の棟の長さがほぼ同じだったのです。

そうですと,縦線部分の棟に配置されています東向き住戸は,横線部分の南向き棟の日影をモロに受け,自己日影( 同じ敷地内の他の棟の日影が自分の棟にかかり,住戸の日照が遮られる事。 )の影響で太陽の陽が入らなくなってしまいます。特に冬至の時点では東向き住戸の低層階では午前中を含め,日光が終日入らない恐れが想像されます。

建築に詳しくない方は販売図面集の中の住戸プランだけを見まして,住戸の方位が東向きですと,1年をとおして午前中,日光は入ると思い勘違いしてしまう方が多いのであえて御注意を致します。

そして,この東向き住戸には更に問題が出てきています。南向き棟( L字の横線部分の棟 )の外部廊下を歩いている人から,東向き住戸のリビング・ダイニングが丸見えになる恐れが有る事です。昼間はレースのカーテンをしていれば,外部廊下を歩いている人からはあまり住戸内は見えませんが,夜はレースのカーテンだけですと,住戸内が明るいので, 外部廊下を歩いている人からはまる見えになってしまうのです。その場合はドレープのカーテンを閉めるのですが,室内は鬱陶しくなります。

「 L字型配棟 」物件で,L字の縦線部分の棟の住戸の向きをこの様な向きにしたケースはとても稀な例です。

ちなみに現地( 建設現場 )をチェック致しましたが,西側隣地の建物は3階建てで,隣地境界線よりかなり離れて建っていました。何故,西向きにせず,東向きにされたのかが全く理解できませんでした。この様な住戸を購入された方は気の毒です。将来,売却する時もリセールバリューはかなり下落すると推測されます。

これから「 L字型配棟 」物件を購入される方は,住戸の日照とプライバシーは重要ですので,住戸プランの方位だけを見ずに,各階平面図の方位と自己日影や外部廊下からのプライバシーの確保等を良くチェックしてから購入の是非を決めて下さい。



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