「 隠蔽体質」の「 社内規定 」に唖然…その2

今回は前回の続きです。できましたら事前に前回#431コラムと前々回#430コラムにざっと目をとおされてから今回のコラムを読まれた方が判り易いと思います。

「 隠蔽体質 」のディベロッパーの新規分譲マンションの「 現地同行 」チェックの顛末です。

この物件の「 現地同行 」チェック当日,依頼者の方と御会いして直ぐに,マンションが建つ建設現場へ行き,周辺環境のチェックを致しました。この物件,マクロ的に判断すれば良い立地ですが,ミクロ的に実際にマンションの建つ場所周りのチェックを致しますと,南側に接した道路幅員6m弱で,その対面に5階建のマンションが接して建っており,現地周辺は中層マンションに囲われていまして,下層階は冬至時点の日当りは期待できないと感じました。

現地チェックを終わり,電車に乗って数駅先のモデルルーム・販売事務所に行きました。販売事務所に到着して,まずモデルルームを見せてもらう様に販売担当者の方に御願い致しました。処が,ここでもびっくり致しました。

びっくりした理由は,この物件のモデルルームは作っておらずに,販売事務所が建っている近くの分譲マンションのモデルルームしか有りませんでした。販売担当者は,その物件のモデルルームの扉寸法等は同じなので参考に見て下さいとの事でした。総戸数30戸強で販売坪当り単価が約370万円強の新規分譲マンションのモデルルームが作られていないケースは初めてでした。

その別物件のモデルルームをチェックし,依頼者に良い所,悪い所を御説明してから,「 設計図書一式 」の閲覧を販売担当者に依頼致しました。販売担当者が持ってきました「 設計図書一式 」は1冊のみで厚さは4センチ強,その中に「 意匠図 」「 構造図 」「 電気設備図 」「 給排水衛生換気設備図 」が書かれているとの事でマタマタびっくり致しました。

通常,総戸数30戸強のマンションの「 意匠図 」1冊だけでも厚さ最低約4センチは有ります。何か嫌な予感が漂いはじめました。

早速「 設計図書一式 」を開き綴じ込まれている図面をチェック致しましたら,事前に送られてきました販売担当者のメール内容と違っていました。ちなみに事前に送られてきました販売担当者のメールでは前回のコラムに書きました様に「 矩計図(かなばかりず) 」「 建具キープラン 」「 建具表 」「 電灯,コンセント各住戸詳細図 」は「 社内規定 」上準備できないとの事でした。

処が,物件をチェックする上で一番重要な「 意匠図 」の「 特記仕様書 」が省かれて閲覧ができませんでした。その旨を販売担当者に言いましたら「 会社の社内規定に則って販売事務所に置く閲覧用に製本された設計図書一式です。 」と平然と答えてきましたのには二の句が告げられませんでした。販売担当者の質がわかりました。

尚,他の「 構造図 」「 電気設備図 」「 給排水衛生換気設備図 」には各々「 特記仕様書 」が綴じられていました。

今回「 現地同行 」チェックを行ったマンションの良否は申し上げられませんが,売主の「 隠蔽体質 」には苦言を呈したいと思います。

私も今迄,かなりの数のマンション設計及び工事監理を行ってきました。私が今まで設計致しました分譲マンションの「 設計図書一式 」は売主が責任を持って全て閲覧可能に致しておりました。購入予定者に隠す図面は全く有りませんし,隠す理由も有りませんでした。例え,竣工後の建物が若干「 設計図書 」と異なる部分が出てきても,私は売主と共に購入者に正当な理由を御説明し,納得をして戴いておりました。

しかし,この売主が未だに「 設計図書一式 」全てを公開しないのは,何か「 やましい部分 」があるのでは…と勘ぐりたくなります。今や押しも押されず超大手ディベロッパーの仲間入りを果し,私の前々回#430コラムでは「 好感もてた,物件のホームページ 」と感心をした売主なのです。

私はこの売主がなるべく早く会社の「 社内規定 」の見直しをして「 隠蔽体質 」を改善し,購入予定者の立場に立ち,分譲マンションの「 設計図書一式 」の内容全てを公開する様にして欲しいと望んでおります。

「 隠蔽体質 」を無くしてこそ,真の一流ディベロッパーと言えるのではないでしょうか…。


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