「 エレベーター」シャフトの壁が乾式工法とは…。

先日行なった「 現地同行 」チェックのお話を致します。

物件の内容を大雑把に申し上げますと,売主は超大手不動産会社です。建物の構造等は鉄筋コンクリート造一部鉄骨造,地上30階建てで総戸数は170戸強です。

現地及び周辺をチェック致しましてから,都心の常設販売事務所・モデルルームがあるビルに行きました。

常設販売事務所・モデルルームに着いてから,まずモデルルームを拝見させて戴きました。

モデルルームを拝見致し,気付いた問題点が2点有りました。まず一番目はキッチンのシンクに設置されている水栓の吐水口の首がシンクの外側にはみ出してしまう事でした。

二番目は,洗面脱衣室内の洗濯機置き場(WP)前に人が立ちますと,自分の影でWPがとても暗くなる事でした。

この,売主の物件は全てこの2点に関しては,全く改善しておりません。今回は改善されているだろうと微かな期待が有ったのですが,ダメでした。

私は「 現地同行 」チェックを依頼された方にこの事を報告致し,それから「 設計図書一式 」を拝見させてもらいました。

「 設計図書一式 」を見ましたら,以前この売主の販売物件の「 設計図書一式 」と全く同じ体裁で,チェックする為の大切な図面が抜けていました。

超大手不動産会社ですので,何故「 設計図書一式 」全てを閲覧可能にしないのかが不思議ですし,何か不自然です。ちなみに,他の超大手不動産会社や大手不動産会社の数社は「設計図書一式 」を全て閲覧可能にしています。納得いく理由を御聞きしたいです。

この件は以前このコラム348号「 不誠実な販売会社の対応 」で書きましたのでそちらを御覧下さい。URLは以下です。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/348

前置きが長くなりましたが,ここから今回の本題である『 「 エレベーター」シャフトの壁が乾式工法とは… 』についてのお話を致します。

「 現地同行 」チェック依頼者の購入予定住戸は60平米弱の1LDKで主寝室の脇( 隣 )にエレベーターが2基有りました。地上30階建て,総戸数170戸強でエレベーターの台数が2基にはまず驚きました。

そして,更に驚いたのは販売図面集の中の「 住戸プラン 」ではエレベーターシャフトと主寝室との間の戸境壁は乾式工法の戸境壁のみで,鉄筋コンクリート造の壁で囲って無かった事です。この事は,まさかと思い「 設計図書 」の「 構造図 」を入念にチェック致しました。

「 構造図 」の「 各階床伏図 」のエレベーター2基周りをチェック致しましたが,鉄筋コンクリート造の壁が書いてはおりませんでした。これにはもう呆れてしまいました。

この仕様ですと,夜中静かな時間帯にこの階でエレベーターの乗降が有りますと,扉の開閉音が主寝室に伝わって熟睡できない恐れが予想されます。

再度申し上げますが,エレベーターと住戸の間には乾式工法の戸境壁のみなのです。せめて,気休め程度の遮音効果しか有りませんが,厚めのPC版( 工場で作製されたコンクリート板 )かALC版等で囲って区画するのが,売主の良心だと思います。

万が一,大きな地震がきましたら,超高層ですので上層階の揺れが大きい場合,住戸内のベッド等重い家具がエレベーター方向にスライドし,この乾式工法の戸境壁を突き破ってエレベーターシャフト内に入ったらと想像致しますと身の毛がよだってきました。

エレベーターシャフト周りの壁は頑丈で遮音性の高い仕様の鉄筋コンクリート造の壁にするのが,購入者への配慮ですし,マンション設計者のイロハです。

エレベーター脇の住戸の購入を検討されている方は,絶対に上記の件を販売担当者に尋ねて書面にて回答をもらい自己防衛して下さい。


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