「 ルーフバルコニー 」付き住戸の注意点-3

前回,前々回では「 ルーフバルコニー 」付き住戸には注意点が3点有ると申し上げまして1番目と2番目の御説明を致しました。今回は注意点最後の3番目を皆様に御説明致します。

「 ルーフバルコニー 」付き住戸は,ほとんど他の中住戸と同様にリビング・ダイニングの外側に「 メインバルコニー 」が設置されています。

さて,ここからが要注意点です。販売図面集の中に有ります「 ルーフバルコニー 」付き住戸の住戸プランを良く見て下さい。「 メインバルコニー 」から「 ルーフバルコニー 」への動線( 通路 )が確保されているか否かが問題なのです。

処が,先日「購入相談」を受けた物件の「 ルーフバルコニー 」付き住戸は「 メインバルコニー 」から「 ルーフバルコニー 」への通路が無かったのです。すなわち「 メインバルコニー 」から「 ルーフバルコニー 」へ行けないのです。これはとても不便なのです。
これですと住戸側面の「 ルーフバルコニー 」に面した部屋の掃出し窓からのみ「 ルーフバルコニー 」への出入りができないのです。

その理由は「 ルーフバルコニー 」の下は住戸ですので,その住戸の屋根スラブ( 天井上のコンクリート版 )の上に断熱材厚さ5センチを敷き,そしてアスファルト防水層を3層位貼り付けて,最後に防水層保護と雨水排水の為の排水勾配を付けた軽量コンクリートを厚さ約8センチ~10センチ程度打ちます。住戸側は雨水排水の水上になりますので軽量コンクリートも厚くなります。

これらの高さを合計致しますと約20センチ強になります。そして軽量コンクリート表面の高さより更にアスファルト防水層を住戸外壁面に最低30センチ以上立ち上げるのが,屋根防水の常識です。そして,立ち上がり防水層と住戸外壁面との隙間に雨水等が侵入しない様に致しましてから,その上部に先程の「 ルーフバルコニー 」へ出入りする掃出し窓を設置するからなのです。

この様な仕様ですので「 ルーフバルコニー 」に面した部屋の掃出し窓の下端の高さが,部屋の床面の高さよりかなり高くなるのです。特に住戸の床が直床ですと「 ルーフバルコニー 」に出る掃出し窓下端が約60センチ程度高くなり「 ヨッコラショ 」と大変です。住戸の床仕様が二重床でも「 ルーフバルコニー 」に出る掃出し窓下端の高さが約40センチ~45センチ程度ですので,出入りの時には直床仕様の住戸より少しは楽ですが,やはりしんどいです。ですので,私は「 メインバルコニー 」から「 ルーフバルコニー 」へ行ける通路は絶対に必要だと申し上げているのです。

大抵,中古マンションの現地同行チェック等で「 ルーフバルコニー 」付き住戸で上記の様に行き来できる通路が無い御宅に御邪魔致しますと,「 ルーフバルコニー 」に面した部屋の掃出し窓の下端と床面が高いので高さ約25センチ~30センチ位の箱状の階段を1段置いています。これでは部屋の空間が台無しですし固定していませんので危ないです。

尚,「 ルーフバルコニー 」付き住戸は同じ階の中住戸より15%から20%価格が高いのですから,「 ルーフバルコニー 」付き住戸を購入しようとされている方は,必ず「 メインバルコニー 」から「 ルーフバルコニー 」へ行ける通路が設置されているかを確認して下さい。

先々週,先週と今回に渡って「 ルーフバルコニー 」付き住戸の注意点を3点申し上げました。この注意点3点はどれか1つ欠けても,住みづらいのです。

これら3点の注意点を満たしていない「 ルーフバルコニー 」付き住戸を分譲する売主及び設計者はそのマンションの至るところで配慮不足が高いと思います。逆にこういう気配りを絶対に行なうのが,一流のディベロッパー( 売主 )や一流の設計者なのです。

※3月1日にこのコラム「 良識あるマンション指南 」を整理し更に女性でも判り易く読める様に図を沢山入れて書きました『 建築・設計のプロが教える 「良識あるマンション」の見分け方・選び方 』を日本実業出版社より上梓致しました。御笑読戴ければ幸いです。
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