スーパーゼネコン施工のマンションは…。

今回はスーパーゼネコン施工のマンションについてのお話を致します。

まず,スーパーゼネコンを御存知無い方々にスーパーゼネコンの事を御説明致します。

その前に「 ゼネコン 」という言葉を誤解されている方が多いので「 ゼネコン 」の説明から致します。「 ゼネコン 」とは正確には「 ゼネラルコントラクター 」を縮めた言葉です

「 ゼネラルコントラクター 」とは「 総合請負業者 」の事です。よく間違えて解釈されていますのが「 ゼネラルコンストラクター 」です。これでは単なる建築のみの「 総合建設会社 」になってしまい,事業主は「 電気設備業者 」「 給排水衛生設備業者 」や「 空調換気設備業者 」等へは分離発注になってしまいます。この話は約40年前に当時「 建設省 」( 現在の国土交通省 )の役人だった身内の人から聞きましたので確かです。

さて,日本のスーパーゼネコンは5社有ります。「 鹿島建設 」「 清水建設 」「 大成建設 」「 大林組 」「 竹中工務店 」がスーパーゼネコンと言われています。この5社の中の「 竹中工務店 」のみ土木工事は請け負っておりません。他の4社は土木・建築共受注しております。

これらスーパーゼネコンの年間受注金額は約6000億円~1兆円と言われています。

各々のスーパーゼネコンは技術研究所を持っており,最新の技術開発をしています。
なので,このスーパーゼネコン5社より下のランクの大手ゼネコンとでは,技術の差がかなり大きいのです。

ですので大型の超高層ビルや大型のタワーマンションの施工には必ずスーパーゼネコンが設計と施工を行なっています。特に大型の超高層ビルや大型のタワーマンションの「 耐震構造 」「 制振構造 」や「 免震構造 」に関する「 建築 」「 設備 」のノウハウが格段に違います。

ちなみに,マンション建築で有名な大手ゼネコンZ社が約20年前に超高層の自社ビルを建てる時に,自社ではなくスーパーゼネコンの1社に設計と施工を依頼したという話はもう時効ですが建設業界では有名な話です。このZ社は未だに大型のタワーマンションの施工の場合は,スーパーゼネコンとJV( ジョイントベンチャー 共同企業体 )で工事を行なっています。

今回の本題に戻りまして「 スーパーゼネコン施工のマンションについて 」の具体的なお話を致します。

分譲マンションの物件概要の施工者の欄にスーパーゼネコンの社名が有りますと,皆様とても安心していますが,ファミリーマンションの場合は注意が必要です。

超高級マンションは別として,ファミリーマンションの場合は総戸数300戸以上で受注金額が約50億円以上の場合はスーパーゼネコンの正社員10人~12人位が建築現場に常駐しますので安心です。

処が総戸数100戸位( 受注金額約20億円未満 )のファミリーマンション( 高級マンションでない )の物件概要の施工者の欄にスーパーゼネコンの社名が書いてありますと要注意なのです。

私の経験ではこの規模のマンションの工事をスーパーゼネコンが受注いたしますと,スーパーゼネコンの正社員は1人~2人が他の工事現場とかけもちで管理し,実際采配をふるっていますのは,そのスーパーゼネコンの下請け業者なのです。理由はスーパーゼネコンの社員の人件費は高く,マンション工事は手間がかかり,正社員を常駐させますと利益が出ず,下手をすると赤字になってしまうからです。この様な体制ですと施工者の会社名は立派ですが,出来上がった物件の精度や質はかなり落ちスーパーゼネコンの施工とは思えない仕上がりです。私が最近行なった内覧会同行チェック物件でも直ぐに分かりました。

国土交通省では建築工事を受注した際に受注した建設会社が他社( 下請け会社等を含む )に丸投げは禁止していますので,表面上は若い正社員の現場員を若干名程,受注した工事現場に常駐した様にしていますが,大抵は他の工事現場と掛け持ちで現場管理をさせている様になっているという事です。

分譲マンションでは購入予定者が施工会社の名前を気にしますので,事業主もなるべく有名で良いスーパーゼネコンに施工を依頼するのです。しかし,表向きスーパーゼネコンが施工者となっている,総戸数300戸未満( 総工事費約50億円未満 )のファミリーマンションでは実際に工事管理や現場で采配をしている人はスーパーゼネコンの人では無いケースが多いので注意して下さい。スーパーゼネコンの施工とは思えないほど,雑な仕上がりが多い事が起きていますので…。

PS:私が6割強執筆致しました「 新版 マンションはこうして選びなさい 」が2月1日に
  ダイヤモンド社より出版されました。御笑読戴ければ幸いです。
  http://www.diamond.co.jp/book/9784478023792.html

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