「 道路拡幅線 」に注意を…。

今回は「 道路拡幅線 」( どうろかくふくせん )に関してのお話を致しましょう。

まず「 道路拡幅線 」とは何かの御説明を致します。

「 道路拡幅線 」とは簡単に大雑把に申し上げれば,現状有る道路の幅を都市計画決定し,将来広げる位置を表した線の事です。この「 道路拡幅線 」位置等の都市計画決定はほとんどが地方自治体が行なっており,国はあまり関与していません。

さて,皆様にチェックして戴きたいのは,現在購入を予定している,マンションや戸建の敷地が接している道路の「 道路境界線 」より内側に「 道路拡幅線 」が有るか否かです。若し有りますと,要注意なのです。

具体的には,マンションでのチェックは,販売図面集の配置図或いは1階平面図を開いて下さい。配置図或いは1階平面図の中に接道している「 道路 」との「 道路境界線 」より内側に「 道路拡幅線 」が点線等で表示されていましたら,注意が必要です。販売員の方に「 道路境界線 」と「 道路拡幅線 」の間の土地面積が容積率対象面積に含まれているか否かを,尋ねて下さい。

容積率対象面積に含まれていましたら,その物件は控えた方が賢明です。
尚,通常は「 道路拡幅線 」が有りますと「 重要事項説明書 」に上記の件を記入しています。

また,戸建用地の敷地図に「 道路境界線 」より内側に「 道路拡幅線 」が有れば,やはり
その物件,将来いつかは敷地面積が減りますので不安な物件ですので控えた方が良いと思います。

その理由は「 道路境界線 」より敷地内側の「 道路拡幅線 」までの間の土地面積の扱いは「 特定行政庁 」( 建築確認を認可する主事がいる役所 )に依って異なっています。

「 道路拡幅線 」の扱い等については,国土交通省は「 道路拡幅線 」の有る地域の特定行政庁に任せておりますが権限は委譲していません。ですので「 特定行政庁 」に依って扱いが異なりますので不安なのです。

私の経験では,マンション等を設計する場合,その敷地内に「 道路拡幅線 」が有りますと
所轄の「 特定行政庁 」に行って「 道路境界線 」と「 道路拡幅線 」の間の土地面積が容積率対象の底地面積になるかを,事前ヒアリング致しておりました。

多くの特定行政庁は容積率対象の底地面積より外す様に指導を致します。処が,稀に特定行政庁の中には,接道している道路を管理している道路管理課で「 道路拡幅線 」が計画決定か,事業決定かを聞いて計画決定段階であれば,「 道路境界線 」と「 道路拡幅線 」の間の土地面積を容積率対象の底地面積に含んでも良いとする回答が出る役所も有るのです。この「 特定行政庁 」の回答通りにマンション等を設計致しますと,「 道路拡幅線 」が事業決定された時にはその建物は「 既存不適格建築物 」ではなく「 違法建築物 」になってしまうのです。( 国交省へ問い合わせ済み )

先日,過去に私に「 購入相談 」を依頼されたA氏よりメールがありまして,購入予定の中古戸建の敷地図の中央付近に「 道路拡幅線 」が記入されているとの事で,購入しても問題が無いかの相談が有りました。

ちなみに私は一度「 購入相談 」や「 現地同行チェック 」で御会いした方には,その後のメールでの相談は無料で行なっています。

本題に戻りまして,A氏の御質問に関して私自身,最近関与している仕事で「 道路拡幅線 」が敷地内に有るケースを扱っていませんので心配になり,早速「 国土交通省・住宅局建築指導課 」に質問致しましたら「 道路境界線 」より敷地内側の「 道路拡幅線 」までの間の土地面積は,建築基準法上の「 敷地面積 」には含まれません…との回答でした。理由は建築基準法上の「 敷地 」では無く「 道路 」部分だとの回答でした。

更に「 道路境界線 」より敷地内側の「 道路拡幅線 」までの間の土地に何か建物を建てても良いか…と聞きましたら,我国の法律では原則的には何も建ててはならない「 道路 」の土地です…との回答でした。という事はやはり容積率対象の「 敷地面積 」にはならないとの事です。

しかし,直ぐに壊せる木造建築物や軽量鉄骨の建築物等は建てられているのが現実です。但し,鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建物は絶対に建設不可なのです。

そして,更にA氏が購入予定の中古戸建の物件説明書には,「 道路境界線 」より敷地内側の「 道路拡幅線 」までの間の土地面積を含んで「 敷地面積 」○○○平方メートルとなって,何の付記も付いていませんでしたので,今度は「 国土交通省 」の「 不動産課 」に電話をして,この件を話し,これは「 宅建業法 」に抵触しているのではないか?…と質問致しましたら,「 不動産課 」の方は「 明らかに宅建業法違反です。 」との回答でした。中古物件ではこの手の物件説明書が多いので皆様特に気を付けて下さい。

マンションでも戸建でも,土地の中に「 道路拡幅線 」が記入されていましたら充分注意して下さい。君子危うきに近寄らずの方が賢明ではないかと思います。

今回の「 道路拡幅線 」の件は,私にとってとても勉強になりましたので,皆様に充分注意をして戴きたいと思い,この様な長文のコラムになってしまいました。

御意見や御感想がございましたら,私の「 問い合わせ 」フォームにメールを戴ければ幸いです。
URLは以下です。
https://www.sumai-surfin.com/service/usui-office/form2.php

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