「自由設計マンション」について…。

ある超大手不動産会社の新規分譲マンションで「 自由設計マンション 」を採用して販売促進効果を上げようとしていましたので,今回は「 自由設計マンション 」のお話を致します。

「 自由設計マンション 」といいますとまず考えられるのが「 スケルトンインフィルマンション 」と「 コーポラティブマンション 」です。

「 スケルトンインフィルマンション 」と「 コーポラティブマンション 」は最近ほとんど見かけなくなりました。理由は,住戸内の間取りを顧客の要望に応じて売主の建築担当の方が何回も打ち合わせをしたり,顧客の予算に合わせたりと,とても時間がかかり収支の面で合わなくなったと聞いております。

先程の超大手不動産会社の新規分譲マンションの「 自由設計マンション 」はまず各タイプに標準の間取り図プランが有り,メニュープラン方式の様に各タイプ住戸に標準の間取りプランと異なる参考間取りプランが2種類用意してあります。

更に参考プランを受け入れない方には売主の建築設計担当の人が付いて「 水周りの位置自由 」として「 自由設計 」のプランを作るというシステムです。これには驚きました。

尚,「 自由設計 」のプランを作る事をセールスポイントにしていますが,「 コーポラティブマンション 」とは異なり,窓の位置・大きさは標準間取りプランと同じ位置・大きさなので,全てが「 自由設計 」にはならないのです。これもちょっと誇大広告ではないかと思います。

各タイプ住戸の標準間取りプランと用意された参考間取りプランを並べて見ますと,標準間取りプランの主寝室や洋室の上に参考間取りプランのトイレ,浴室や洗濯機置き場設置の洗面脱衣室が有るのです。

そして僅か21センチのスラブ( コンクリート床板 )であるにも関わらずに「 Q&A 」( 質疑応答 )では「 洋室の上にトイレや浴室がきても下階に音は伝わりません 」と断言し回答しているのです。

このマンションの立地は幹線道路からワンブロック離れていますが,深夜は暗騒音が結構低いと思いますので,私の予想では深夜上階の住人が夜中にシャワーを浴びたり,トイレを使用して流せばその流水音は下階の主寝室や洋室で寝ている人には耳障りに聞えてくると想像致します。

マンションのクレームのほとんどが上階の音が聞えるという事です。私も20年前頃は何回もこのクレームを受け苦い経験を致しました。

マンションは完成致しますと,上階住戸の音のクレームはほとんど対処できませんので,上階住戸住人に「 マンションは共同住宅ですのでなるべく静かに暮らして下さい。 」と御願いするしか有りません。

このマンション,入居後に音のクレームが出た時にどの様に対処するのかがとても疑問です。「 音は3日で馴れる 」という諺がありますが,マンションの場合はその諺はあてはまらないケースが多いのです。

超大手不動産会社がこの様な「 自由設計マンション 」をセールストークにして販売するのは如何なものでしょうか…。会社の信用を落とすのは一瞬ですが,信用を取り戻すには10年以上かかります。

このコラムを御読み戴いている方々に申し上げます。「 君子危うきに近付かず 」ですので「 自由設計マンション 」は購入対象から外された方が賢明かと存じます。

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