傾斜地に建つマンションに要注意

傾斜地に建っていたマンションが昨年の「 東日本大震災 」に依って傾いてしまい,先月末に売主と建設会社が1億円強の損害賠償を求められて訴えられました。

傾いたマンションは鉄筋コンクリート造地上10階地下1階建で基礎が「 ベタ基礎 」(建築物の直下全面を板状の厚い鉄筋コンクリート版にした基礎 )の構造で,総戸数は35戸です。

売主や建設会社は確認申請が認可されているので「 天災 」と主張し,管理組合( 入居者 )は地盤の専門家に調査を依頼し,近隣のマンションではこの様な現象が起きていないので「 基礎 」の選定ミスとして法廷で争う事になりました。

この傾いたマンションの訴訟の内容を良く読みますと,どうも売主と建設会社には勝ち目は無さそうです。

傾いた理由を大雑把に申し上げれば,この敷地は傾斜地で過去に「 地下水 」に依って「 地滑り 」を起こした事が有った様です。地盤専門家は,その「 地下水位 」の位置が地表面より深さ3m位の所に有ったので「 東日本大震災 」の地震に依り「 地滑り 」を起こしたのではないかと推測しています。

その様な土地に建てる建物の「 基礎 」には「 ベタ基礎 」を採用する事は誤りだと私は思います。

通常,構造設計をする前に地盤調査( ボーリング )を数箇所行いますが,この物件は僅か3ヶ所しか地盤調査をしておらず,その3ヶ所の「 ボーリングデータ 」では地下3m以内には地下水は無いと判断し構造設計者は「 ベタ基礎 」にしたそうです。

処が震災で傾いた直後に敷地内の別の箇所でボーリング調査を行ないましたら,先程地盤専門家が言っていた様に地下3m付近に地下水位が有る事が分ったそうです。僅か3ヶ所のボーリング調査で基礎の種類を決めたのですから,構造設計者の設計ミスと言われても止むを得ないと思います。

ボーリング調査の費用はだいたい地下20m位までは1本に付き約20万円と言われています。あと5本ボーリング調査を致しても僅か100万円で済み,基礎の選定を誤らなかったと思います。多分「 杭基礎 」にしてこの様に建物が傾く事が回避できたと私は思います。

傾斜地に建つマンションを購入する場合は「 基礎 」が「 杭基礎 」の方が安心できますので,販売担当者に聞いて書面にて回答をもらって下さい。

傾斜地に建つマンション購入の自己防衛です。

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