「 熱源機器 」と「 吸気口 」との離隔距離について…。

今回は「 24時間換気システム 」の各居室( 中和室,中洋室は除く )に設置しています外壁からの新鮮空気取り入れ口である「 吸気口 」とバルコニー側に設置されている「 熱源機器 」の離隔距離に関してお話致します。

マンションのバルコニー側に設置する「 熱源機器 」は2種類の機器が有ります。1つは「 エアコン屋外機 」です。もう1つは「 ガス給湯器 」です。

まず問題の多い「 熱源機器 」である「 エアコン屋外機 」の設置位置のお話を致しましょう。この件はとても重要な事です。この「 エアコン屋外機 」は夏場の冷房運転時にはファンより熱気を出し,冬場の暖房運転時にはファンより冷気を排出致します。ちなみに「 ガス給湯器 」は夏場だけが問題なのです。

まず「 エアコン屋外機 」設置位置で大事な事はファンの正面より60センチ位の空間が有りませんと,「 エアコン屋外機 」ファンから排気した夏場冷房運転の熱気や冬場の暖房運転の冷気をまた吸い込んでしまうのです。すなわち「 エアコン屋外機 」ファン正面より60センチ以内に壁等の遮蔽物が存在すると良く無いと言う事です。これを設備のプロの方々は「 ショートサーキット 」現象と呼び,「 エアコン屋外機 」の冷房効率や暖房効率がかなり悪くなり,電気の消費が多くなるのです。

更に申し上げたいのは「 エアコン屋外機 」のファンの位置と住戸の「 吸気口 」の離隔距離寸法です。先程も申し上げました様に「 ガス給湯器 」は夏場だけの問題ですが「 エアコン屋外機 」は設置位置が非常に後々問題になります。「 エアコン屋外機 」のファンの位置と住戸の「 吸気口 」の離隔距離寸法が60センチ未満ですと,「 エアコン屋外機 」ファンから出ます夏場の熱気と,冬場の冷気が「 24時間換気システム 」の強制機械排気ファンの力に依り住戸の「 吸気口 」から侵入してくる可能性が高いのです。そうしますと住戸内の居室に夏場の熱気と,冬場の冷気が吸い込まれて冷暖房効率が悪くなるのです。

ですから,まともな設備設計者は「 エアコン屋外機 」のファンの位置と住戸の「 吸気口 」の離隔寸法は最低でも60センチは必要で,これは設備屋の常識だと言っています。

私は新築マンション「 内覧会同行 」チェック時点では「 エアコン屋外機 」は設置されていませんが,販売図面に点線で書いてある屋外機設置位置に行き「 エアコン屋外機 」を置いたと想定して「 エアコン屋外機 」ファンの位置と住戸「 吸気口 」の離隔距離寸法が60センチ以上確保しているかを常にチェックしています。60センチ未満の場合には売主に対策を講じる様に御願いをしています。

次に2つ目の「 熱源機器 」である「 ガス給湯器 」の設置位置のお話を致しましょう。

財団法人「 日本ガス機器検査協会 」という団体が「 ガス機器設置基準書 」で「 ガス給湯器 」の「 熱源機排気吹き出し口 」先端より住戸外壁に有る「 吸気口 」まで60センチ以上離隔寸法を確保する様に書いて指導しています。これは「 24時間換気システム 」の強制機械排気ファンの力に依り,「 ガス給湯器 」運転時の燃焼ガスが住戸内に引き込まれない様に配慮された設置基準です。

万が一,燃焼ガスや不完全燃焼ガスが住戸内に多く引き込まれた場合には,人命に係る事です。ですので「 日本ガス機器検査協会 」が「 経済産業省 」監修の元で作製した「 ガス機器設置基準書 」で上記の件が書いてあるのです。しかし残念な事に法的拘束力と罰則規定が有りません。

私はこの件も「 内覧会同行 」チェック等で,この「 吸気口 」と「 ガス給湯器 」の離隔距離についても問題にしてきました。ちなみに先程も申し上げましたが新築マンションの「 内覧会同行 」チェック時点では先程のエアコン屋外機は設置されていませんので「 ガス給湯器 」しか正確にチェックできないのです。

そして「 内覧会同行 」チェック時では「 ガス給湯器 」の「 熱源機排気吹き出し口 」先端より外壁の「 吸気口 」までの離隔距離寸法に関しては,ほとんどの新築分譲マンションでは規定値をクリアーしていますので問題は無いのです。

しかし,私が問題視していますのは,「 ガス給湯器 」の「 熱源機排気吹き出し口 」先端より外壁の「 吸気口 」までの離隔距離寸法では無く,「 ガス給湯器 」本体の位置です。

「 24号フルオートバス乾燥機・床暖房機能付き給湯器 」の運転時には「 給湯器 」本体カバーの温度が40℃超になるそうです。この40度超の空気が「 給湯器 」周辺に漂っているのです。

「 ガス給湯器 」の「 熱源機排気吹き出し口 」先端より外壁の「 吸気口 」までの離隔距離寸法が60センチ確保されていましても「 ガス給湯器 」本体カバーのまでの離隔距離寸法が約20センチ弱程度の場合をよく見かけます。

これでは,夏場にエアコンで居室を冷房しても「 24時間換気システム 」の強制機械排気ファンの力に依り「 ガス給湯器 」カバーの熱が「 吸気口 」より吸い込まれて居室に侵入し,冷房効率が悪くなるのです。

私の友人で空調換気設備設計者にこの2件の事を聞きましたら,この2件に関しては「 国土交通省 」「 経済産業省 」共,全く法的な規制を致しておりませんとの事でした。

しかし,私はこの「 エアコン屋外機 」設置位置及び「 ガス給湯器 」設置位置と住戸の「 吸気口 」との離隔距離寸法については,節電の為にも基準値を作製し,法制化すべきだと思います。

「 国土交通省 」「 経済産業省 」の方々,この件は是非前向きに検討し,早く法制化して下さい。

猛暑の夏場に暑苦しい話で申し訳ございませんでしたが,重要な事ですので今回はお話を致しました。

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