「 上り框 」と「フローリング」の高さは…。

今回は,先月準大手ゼネコンが施工したマンションの「 内覧会同行 」チェックでのお話を致します。

私の「 内覧会同行 」チェックでは住戸の玄関周りは特に時間をかけてじっくりとチェック致します。理由はちょっと大げさかもしれませんが,住戸玄関は住まわれる人の「 顔 」ですので…。

ですから,住戸玄関の外のポーチ部分も共用部分ですが専用使用権利がある場所ですので,ポーチにあるメーターボックス( MB )内の配線や配管等も入念にチェック致します。

「 内覧会同行 」チェックでMB内の配線や配管が整然と致しておらず,更に内部が汚れて掃除もしていない物件は,大抵住戸内の出来も良くありません。

先日「 内覧会同行 」チェックを行なった物件の玄関ポーチ周りは,是正指摘事項は有りませんでしたが,玄関の中をチェック致しましたら,土間の石状のタイルの角が欠けているものが有りました。この手のタイルは補修をしても,また直ぐ欠けるので1枚だけ欠けていない新品の石状タイルと交換を依頼致しました。更に新しいタイルを貼る時には周囲のタイルとの色合わせを充分チェックしてから新しいタイルを貼る様に御願い致しました。

それから,玄関土間脇に有ります「 下足入れ 」のチェックを行いました。「 下足入れ 」の扉の丁番には全て「 スロークロージング装置 」が設置してあり,扉を閉めた時にも「 パーン 」という音がしない様に配慮が行き届いていました。「 下足入れ 」脇の直角に折れ曲がった壁には「 下足入れ 」の扉がよく当たるのですが, 「 下足入れ 」扉には更に「 開度調整器 」を設置して脇壁に当たらない様な配慮までして有り感心致しました。通常よく見かけるのはこの「 下足入れ 」の扉が当たる壁の部分に通称「 涙目 」( なみだめ-直径約4ミリ位の透明樹脂で出来た半球型のもので平たい所に両面テープが貼ってあるもの )を貼って扉が当たっても壁に傷が付かない様にしています。これはあくまでも「 その場しのぎ 」的対策です。

玄関の壁に「 涙目 」が貼ってありますと,玄関の空間がとてもシャビー( Shabby )な感じが致しますので,私の「 内覧会同行 」チェックではなるべくゼネコンに御願いして「 涙目 」を外して「 下足入れ 」の扉に開度調整器を設置してもらう様に御願いをしています。

玄関土間周りチェックの最終段階で大理石の「 上り框 」上面が「 フローリング 」の上面より約2ミリ弱高いのに気付きました。そして更に「 フローリング 」と接している側の「 上り框 」の上端の石の角が欠けていたのです。

私はこれはチャンスだと思い「 上り框 」の交換を御願いし,新しい「 上り框 」設置の高さを「 フローリング 」上面より髪の毛約1本分( 約0.5ミリ位 )下げて設置する方が良いと進言しその様に修正工事をお願い致しました。

この理由は私の独断と偏見ですが,「 上り框 」上面より「 フローリング 」上面が下がっていますと,毎日の生活でどうしても「 上り框 」の上端の角が欠け易くなるのです。ですから「 上り框 」上面の高さは「 フローリング 」上面より若干下げ気味に施工された方が良いのです。

但し,「 フローリング 」上面の高さが1ミリ以上「 上り框 」上面より高くなりますと,これまた問題なのです。理由は入居者が土間より「 上り框 」側に上がった時に「 フローリング 」の木口に足が引っかかって,「 フローリング 」上面に貼ってある木目調に印刷された「 オレフィンシート 」がめくれてしまうケースがたまに有ります。

この「 上り框 」上面の高さと「 フローリング 」上面の高さは「 真平ら 」が理想ですが,現場での工事で「 真平ら 」にするのは不可能なので「 上り框 」上面の高さを「 フローリング 」上面の高さより若干下げた方が「 上り框 」に傷が付きにくくなりますので,私の経験から申し上げればその方が良いと思います。

今回この様な「 重箱の隅をつつく 」様な事を私がこのコラムで申しますと,知り合いのディベ,設計者やゼネコンの方々に「 ブーイング 」されます。しかし,私は「 住まい 」を販売したり,設計したり,施工する方は,この様な「 気配り 」の有る「 住まい 」を提供するのが義務ではないかと思います。特に「 住まい 」を設計し,工事監理をしている設計者にはこの様な「 気配り 」がおおいに必要だと感じておりましたので,あえて今回はこの様な細かい事に触れた内容のコラムを書かせて戴きました。

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