中古マンション,「 床暖房 」の後付けは難しい

マンションの「 欲しい設備ランキング 」で「 床暖房 」が上位に挙がっていましたので,今回は中古マンションに「 床暖房 」が設置可否の御説明を致します。

結論を先に申し上げれば,物理的には可能ですが,最近は沢山のハードルが有りとても難しい状況なのです。

マンションに「 床暖房 」が一般的に普及し,ファミリーマンションにまで標準設置されたのは私の記憶では2000年チョイ前頃です。それまでは「 高級マンション 」や「 高額マンション 」には約1995年位から標準装備されている物件が多かったと記憶しています。

さて,「 床暖房 」が標準設置されていない中古マンションを購入した場合,購入後に「 床暖房 」を設置しようと致しますと,どの様なハードルが有るか具体的に御説明致します。

まず, 「 床暖房 」を設置する部屋のフローリングを剥がして,後付け「 床暖房 」仕様のフローリングを敷き詰めなければなりません。理由は既存の通常のフローリングを剥がし「 床暖房 」配管をして,その上に通常のフローリングを貼りますと,床の高さが廊下や他の部屋よりも少し高くなり,扉等の開け閉めにトラブルが生じる場合があるのです。まず,ここで最初のハードルが有ります。

後付け「 床暖房 」仕様のフローリングは「 床暖房 」工事前の既存のフローリングと比較致しますと,遮音性能が劣る物が多いので事前に,管理組合の承認が必要となるケースが多いのです。ですので, 後付け「 床暖房 」仕様フローリングの遮音性能の数値( LL値 )を管理組合に申告して承認を受ける必要があるのです。

そして,二番目のハードルは 「 床暖房 」機能付きの給湯器に交換をしなければなりません。「 床暖房 」機能付きの給湯器はガスの使用量が多いのでメーターボックス内に縦に通っておりますガス供給管の太さで大丈夫か否かが問題です。その縦列の1軒だけでしたら大抵は大丈夫ですが,マンションは共同住宅ですので,その縦列全ての住戸が「 床暖房 」機能付きの給湯器を設置してもガス供給量が満たされている太さのガス供給管でなければ最近は管理組合が承認致しません。

三番目のハードルは「 床暖房 」機能付きの給湯器より「 床暖房 」配管を設置した部屋までへのペアーチューブ給湯管( お湯の往復の為,管が2本入っているもの )の配管です。この配管は「 床暖房 」機能付き給湯器の脇のコンクリート壁に穴を開けて通さなければならないのです。コンクリート壁は共用部分ですので勝手に穴を開ける事はタブーです。管理組合の承認が必要です。

中古マンション購入後に「 床暖房 」設置をしようと致します場合には,上記の3点の件を事前に管理組合に説明をして承認を得ませんと工事はできません。

良い中古マンション程,入居者の維持管理意識が高いので「 管理規約書 」にこれらの件は厳密に禁止事項として書いています。

逆に入居者の維持管理意識が低い中古マンションでは上記の件は全く「 管理規約書 」に書いてありませんので野放図なのです。その様なマンションでは工事後に足音等の遮音性が落ち, 下階の住戸の方といざこざが起きている様です。そして,付け加えて言わして戴けるのならばマンション全体の維持管理もかなりズサンです。

また,リフォーム屋さんにも気をつけて下さい。質の悪いリフォーム屋さんは中古マンション購入者の依頼を「 管理規約書 」を見ずに全て引き受けて短期間で工事を完了させようと致します。その様な場合は往々にして工事中に管理組合に見つかり現況復帰を余儀なくされます。そして,その様な質の悪いリフォーム屋さんは工事中止までの工事費を請求し,現況復帰工事は行わないのですから問題です。

最近,質の悪いリフォーム屋さんが多いので,中古マンションを購入し「 床暖房 」を設置したいと思いましたら,購入者の方が自ら管理組合の「 管理規約書 」を事前にチェックする事をお奨め致します。

上記3点の内の1点でも「 管理規約書 」に禁止事項と書いてあれば「 床暖房 」設置工事はできません。

中古マンションは良いマンション程,「 管理規約書 」内に制約条件が多いのですので注意が必要です。

連載コラム

特集

もっと見る