購入者は物件の「 質 」を重視する傾向が高まった

「 週刊住宅 」新聞という不動産の業界新聞に「 住まいサーフィン」でもお馴染みの住宅ジャーナリスト櫻井氏が毎週コラムを書いていらっしゃいまして,5月14日号10ページに,興味深い事を書かれていましたので御披露致します。

『 「 好立地で割安にすればそれだけで売れる 」という時代は完全に終わったということ。これまでは好ましい立地で割安な価格設定であれば,もうそれだけで十分。建物の内容は関係ない,立地と価格が魅力的なら,黙っていても売れてしまうと考えられていた。しかし,今は違う。「 立地 」は重要,「 価格 」も大切だが,それだけで決断はできない。建物の質が高く,地・価・質の三拍子がそろわなければ購入しないという人が増えている。中略。今後の市況を占う上で,大きな出来事といえる。 』( 原文のまま )

櫻井氏は上記の様に書かれていて,デベ等に警鐘を鳴らしている様でありました。

私は建築家で不動産ジャーナリストではありませんが,最近マンションの市場動向を見ますと櫻井氏と同様の感じがしていました。

さて,ここで建物( マンション )の「 質 」に関してのお話を致しましょう。建物の「 質 」という言葉ですと色々な解釈ができます。そして, 建物の「 質 」の良し悪しは私の経験で申し上げますと,デベの「 質 」の良し悪しとイコールです。デベの「 質 」が良ければ建物の「 質 」も良いのです。

では,建物の「 質 」をジャンル分け致しますと,まず住戸プランの内容で,次に建物全体の配置や動線の取り方等,毎日の生活に関わる事です。最後に建物の形状,仕上げや仕様です。

私は建物の「 質 」をチェックする場合は,主に建築関係の方でないと分らない仕様を重視致します。いくら目に見える仕上げが良くても,目に見えないその下地材等が悪くては建物の「 質 」が良いとは言えません。また最近良く有る瑕疵では建物のデザイン優先で,防水の納まりが悪く,雨漏り現象を起こしていますので,その辺りは重点的にチェック致します。

私の「 現地同行 」チェックではチェックリストに記入する時には依頼者の購入予定のマンションの「 設計図書一式 」( 意匠図 )( 構造図 ) ( 電気設備図 ) ( 給排水衛生設備図 ) ( 空調換気設備図 )を良く見て採点し合計点を出し「 秀 」「 優 」「 良 」「 可 」「 不可 」で判断致します。

処が,私が販売事務所等でチェックする「 設計図書一式 」は,抜け,省きが無いような完全な「 設計図書一式 」を用意して戴く事を依頼者より事前に販売事務所に依頼しておきましても,見られたら都合の悪い図面等を省いて製本しているケースが最近やたら多いので参りました。建築設計者である私が鑑みても見られたら都合の悪い図面等は無いはずです。この様な事をするデベの「 質 」は最低だと思います。結果的には建物の「 質 」になるからなのです。

次回は販売事務所に置いてある製本された設計図書で省いている図面とその省かれた図面の重要さに関してのお話を致します。

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