住戸内の引戸の良し悪し-1

マンションの住戸内に引戸を採用する物件が増えてきましたので引戸のメリット,ディメリットについてのお話を致しましょう。

まず,引戸が増えてきた大きな理由は「田の字型住戸」プランの横長リビングタイプの中洋室です。以前はここは中和室が多かったのですが最近頓に中洋室が増えました。

この,中洋室(中和室)はリビングダイニングの窓からの間接採光なので,建築基準法では開き戸採用は禁止です。引戸にすれば間接採光が確保されるという変な理屈で居室扱いにできるのです。

次に引戸が増えた理由は住戸内で開き戸同士が同時に開けたりすると扉同士がぶつかるので引戸採用が増加致しました。これは設計者の力量の問題で扉同士がぶつからない様にする事は可能です。

建築に素人の方々は部屋の入口は引戸が良いと言う方が多いですが引戸にもディメリットは沢山有ります。

引戸には大きく分けて2タイプ有ります。通常ファミリーマンション等の価格が安い住戸で使われている引戸は床(下)レールタイプです。ちょっと高額なマンションになりますと,引戸は吊りレールタイプになります。

まず, 床(下)レールタイプの引戸の欠点を申し上げます。洋室用の引戸は襖や障子と異なり重いのです。この重い引戸を床に埋め込んだV字型レールの上を樹脂製の車(コロ)でスライドさせる仕組みです。扉が大きいと夜静かな時に開閉致しますと結構「ゴロゴロ」と大きな音が致します。その御宅はまあこの音は止むを得ないのですが,下階の住戸の人にとってはうるさく感じます。特にV字型レールに砂等のゴミが溜まっていますと引戸の開閉時かなりの音が下階に響きます。

上下階の住民同士が険悪な関係になった例も有ります。

マンションのクレームのほとんどが音の問題です。

次回はこの続きをお話致します。

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