日照への配慮不足の配棟計画に注意

最近,大規模敷地での分譲マンションの配棟の形に「 コの字型配棟 」が増えています。「 コの字型配棟 」物件の住戸選びは要注意です。

昔は大規模敷地で分譲マンションを計画する時は,住まう方への配慮として,棟を分けて全ての棟を南向き,南東向きか南西向きにして住戸の日照を確保していました。

現在,郊外の大規模敷地では「 コの字型配棟 」で計画された分譲マンションを販売しているケースがほとんどです。

では,何故「 コの字型配棟 」になったのかを,私の独断と偏見で大雑把に御説明致します。

日本の建築基準法では1つの敷地にいくつかの棟を配置する場合は「 建築確認申請 」提出前に「 一団地申請 」という手続きが生じます。「 一団地申請 」は色々な制約条件が有り,また申請の認可を取得致しますのに時間がかかります。この制約条件を満たす事と, 「 一団地申請 」認可取得までの手間と時間はお金に換算致しますと結構な金額になります。

この「 一団地申請 」の手続き無しで,1棟で配棟すれば費用は1住戸当り約30万円位安くなるからなのです。「 コの字型配棟 」にしているディベロッパーは住戸の日照は二の次で,1住戸当り僅か約30万円でも安くして売りたいのです。

原価で約30万円高くなる事は販売価格に於いて約45万円~50万円位高くなるのです。
例えば1住戸価格が「 コの字型配棟 」の物件で2400万円と致しますと,棟を分けた配棟で「 一団地申請 」認可を取得し,日照に配慮した住戸の価格は約2450万円です。販売価格でも1住戸価格が僅か約50万円位高くなるだけなのです。それで住戸の日照が得られれば安いものです。マンションは高価な一生の買い物ですから…。

さて,本題に戻り「 コの字型配棟 」の問題点を申し上げます。ほとんどの「 コの字型配棟 」物件では「 コ 」の字の上下並行線の部分が,東向き棟と西向き棟で,上下並行線を縦に結ぶ線の部分が,南向き棟になっています。しかし,大抵「 コの字型配棟 」の物件では東向き棟や西向き棟は,どちらかが北東向き棟か北西向き棟になっています。都心3区( 中央区,千代田区,港区 )でしたら北向き棟も有り得ますが,郊外の物件で北東向き棟や北西向き棟はお奨めできません。

更に「 コの字型配棟 」物件で注意して戴きたいのが,南向き棟の両端が,東向き棟と西向き棟の前面のバルコニー面より東方向,西方向に法的制限目一杯に延びているケースです。これは南向き棟の住戸は販売坪単価が高いので,住戸数をなるべく多く確保して利益を上げる為なのです。その為には東向き棟と西向き棟が犠牲になっても構わないというスタンスなのです。

このケースの場合,東向き棟住戸の日照は約午前11時前には無くなります。西向き棟住戸の日照は約午後1時以降からになります。

「 購入相談 」等で「 コの字型配棟 」物件の東向き棟の購入検討をされている方に具体的に御説明致しますと,皆様驚いています。販売図面集の中の住戸プランに書いてある方位だけをチェック致しておりますと,上記の件が分からないのです。購入予定住戸の階の全体平面図をチェックする事をお奨め致します。その階の全体平面図の方位の南北の線を並行移動して,購入予定住戸間口両端に鉛筆等で書きますと良く判ります。

「 コの字型配棟 」物件はこの他にもデメリットが沢山有りますので,要注意です。慎重を期するのであれば,私に「 購入御相談 」を御依頼下さい。

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