玄関扉の開き角度は90度以上必要

今回は玄関扉の開き角度についてのお話を致します。

先日「 購入相談 」を行った物件で,私は不覚にも依頼者より大事な点を見過ごし指摘されてしまいました。この様な事は初めてでした。それは玄関扉の開き角度のチェックで大切な事ですので,あえて皆様に御報告致します。

相談依頼物件の住戸プランは「 田の字型 」で,専有面積70平米強の3LDKタイプでした。この住戸は通常「 田の字型 」プランと若干異なっている所は玄関扉の位置でした。

若干異なっている所は,住戸の外廊下側壁面と同一面の壁に玄関扉を設置せずに,外廊下より玄関周りの壁面を奥行き約50センチ程のアルコーブ( 壁面の一部を後退させた空間 )状にしたポーチが有った事です。そして大梁と縁を切っていましたのでその事は評価致しました。

評価しました理由は玄関扉が大梁の下ですと,枠が耐震仕様でも大きな地震の揺れが伝わり易く,玄関扉枠の歪みが大きくなり,玄関扉が開かないケースが生じます。玄関扉の位置が大梁の下であれば顧客への配慮が欠けた設計と評価しています。その事を依頼者( 相談者 )に伝え,それから住戸内のプランの精査,ベッド等置き家具の配置検討を行い,更に上下左右住戸からの遮音性のチェックを行い「 まあ,特に悪い所は有りませんね…。 」と申し上げました。

その後です。私が見落としていた箇所を相談者の方が販売図面集の住戸プランを見て不審な顔をし「 碓井さん。この玄関扉の開き角度が狭いのではないでしょうか? 」と指摘されました。再度よく見ましたら玄関扉の開き角度が90度確保されていませんでした。

この玄関扉の開き角度のチェックを行わなかったのは私の不覚でした。言い訳になりますが,マンションの玄関扉の開き角度はミニマム90度以上が設計の「 イロハ 」なので,当然その様になっているものと思い込み,チェックを見過ごしてしまいました。でも私のミスですので謝りました。

相談者の御指摘のとおり,玄関扉の開き角度は最低90度以上必要です。例え90度でもレバーハンドル等が10センチ弱出っ張っていますし,後ほど詳しくご説明致しますが,玄関扉枠内の開口幅内法寸法( うちのりすんぽう:内側の実寸法 )より15センチ弱狭くなり,使い辛い玄関になってしまいます。

通常,ファミリータイプのマンション玄関扉の幅は80センチ~85センチ強です。最近, 玄関扉の幅が90センチ有るのはファミリーマンションではまれです。例えば玄関扉の幅が85センチだと致しますと,90度開いた状態で玄関扉枠開口幅内法寸法は約70センチ程度です。内訳は玄関扉幅から玄関扉厚,レバーハンドルの出寸法,枠に付いている「 ヒバタ 」( 枠内の扉が当たる所 )の出寸法をマイナス致しますと,有効開口幅の寸法は70センチ程度です。

引越し荷物等や救急車のストレッチャーが何とか通れるミニマム寸法です。

ですので,私は玄関扉の開き角度は105度以上位が適正だと思っています。105度あれば扉幅85センチで有効開口寸法が約80センチは確保できます。

この様な玄関扉の開き角度が90度以下のプランには共通点が有ります。その共通点とは玄関扉及び枠が設置してあります壁と開き方向側に直角で建っている壁が,丁番がついている側の玄関扉枠とほぼぴったりと設置されている場合です。大雑把に申し上げますと,玄関扉の丁番の位置と,脇に有る扉を開けた時に当たる壁との,離隔寸法がほとんど無いケースです。

玄関扉の丁番が設置してある枠外に幅約15センチ程度の袖壁が有れば開き角度が105度以上確保できます。

この点もマンションをチェックする時の重要項目です。モデルルームへ行ったらお試し下さい。

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