「ブライト仕上げ」見た目は良いが…。

チョット古い話ですが、先月行なった「 内覧会同行 」で気になった、仕上げ関係のチェックでの要注意事項を御説明を致します。

そのマンションは都心の一等地に建った,1億円超の物件ですので「 内覧会同行 」チェックがとても楽しみでした。

以前も申し上げたかと思いますが,私の「 内覧会同行 」チェックは主に建築や設備の納まりが適正か否かをチェックし,「 傷 」や「 汚れ 」のチェックは依頼者に御願いしています。
「 傷 」や「 汚れ 」に関しては,どの様に修正工事を行うのかをゼネコンと遣り取り致し依頼者が納得する方向で是正して戴きます。

さて「 内覧会同行 」チェックを共用部の専用使用権の有る部分より始め,まずはメーターボックスからチェック致しました。ちなみにメーターボックス内の配管や配線等が綺麗ですと住戸内も大抵綺麗です。

また以前,依頼者住戸番号が書いて有るガスメーターから配管経路を確認致しましたら,隣戸に行っていたという,初歩的なミスを見つけましたので,このチェックと電気メーター及び水道メーターからの配線・配管チェックは絶対に最初に行います。

前置きはこの位に致しまして,今回の本題に移ります。

依頼者住戸の玄関に行きまして,住戸の顔である玄関扉のチェックに取り掛かりましたらびっくり致しました。

な,なんと玄関扉の表面の仕上げが木目調の「 ブライト仕上げ 」だったのです。

「 ブライト仕上げ 」とは「 鏡面仕上げ 」( 研磨剤で磨き上げて表面が滑らかに反射する鏡の様に仕上げる事。 )の一種で表面をピカピカに光らせている仕上げの事です。俗に「 ピアノ仕上げ 」とも言われています。

検査対象の住戸玄関扉表面の「 ブライト仕上げ 」はアチコチにスクラッチ( “ scratch ”英語で「 かすり傷 」「 ひっかき傷 」の事 )や汚れが目立ち,依頼者の奥様はかなり憤り付箋を沢山貼っていらっしゃいました。私は依頼者の奥様に「 ブライト仕上げ 」にスクラッチが多い場合は,修正するより扉全体を交換してもらった方が良いですよ…と申し上げ,付添いのゼネコンの若い方に「 玄関扉を新品と交換 」と記述する様にお願い致しました。

ゼネコンの若い方は「 可能かどうか現場所長を呼びます。 」と言われ,トランシーバーで現場所長に直ぐこの住戸に来る様に頼んでいました。

4~5分程で人柄の良い現場所長Y氏が,この住戸に来まして,玄関扉のスクラッチや汚れを見て「 こりゃ扉交換した方が早くて良いな。 」と私と同じ見解を示しました。このY氏が来てから「 内覧会同行 」チェックはスムーズに行なう事ができました。決定権を持っている人が一緒ですと,こちらが是正修正指摘をした時に直ぐに修正工事の方法を私に告げて了解を求めてきます。例えばゼネコンの若い方が補修工事になります…と言っても私が交換工事でしょ…と申し上げますと,Y氏もこれは交換だな…と言って若い方に指示してくれます。

このマンションの住戸,更に内装の木製扉の仕上げも白色の「 ブライト仕上げ 」でアチコチに僅かな欠けや沢山のスクラッチが有りましたので,ほとんど交換工事になってしまいました。それで依頼者の奥様も溜飲を下げてくれました。

「ブライト仕上げ」見た目は良いのですが,実際に入居して生活致しますと,直ぐにアチコチにスクラッチや汚れが付き,最近はほとんど採用されているのを見かけません。

「ブライト仕上げ」の場合,モデルルームでは手入れが良く綺麗に見えるので,購入予定者はこの空間に参って夢を見てしまうのです。売主の販売戦略でも有りますが,実際一番苦労するのは建設会社です。

購入者( 入居者 )も入居して生活致しますと,直ぐにスクラッチや汚れが発生し夢から醒め,現実を直視し後悔してしまうのです。

ちなみに,私の記憶では10年~15年前の新規分譲マンションの7割はキッチンの流し台扉の表面が「ブライト仕上げ」でした。やはり,これも直ぐスクラッチや汚れが付くので自然消滅致しました。

「 ブライト仕上げ 」は「 住まい 」には向きませんので御注意を…。

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