「 コの字型配棟 」物件の遮音への配慮に感心…。

先日「 内覧会 」同行チェックを行った物件で,設計者の配慮が大変行き届いていましたので御報告致します。

その物件概要を簡単に申し上げますと,立地は人気私鉄沿線の駅より徒歩1分,総戸数は80戸強で,地上5階 地下1階建て,販売坪単価は230万円/坪弱でした。

建物配置は「 コの字型配棟 」で「 U字型 」に近く並行している2列の5階建棟の有効離隔距離が30m弱と若干狭い様に感じました。

外廊下は中庭を取り囲む様に「 コの字型 」になっておりました。

まず,私が何に感心したかと申し上げますと「 内覧会 」同行チェック依頼者住戸に向って外廊下を歩きながら,各住戸の外廊下側の外壁,窓や玄関扉をさりげなく見ていましたら, 中庭周囲外廊下側に向いている住戸の部屋の吸気口に「 消音カバー 」が設置されている事でした。

私は恥ずかしながら,この様な物件を初めて見ましたので「 内覧会 」チェックに付き添って戴いた,設計者の方に「 どうして吸気口に消音カバーを設置されたのですか? 」と尋ねました。

設計者の方は,マンション設計のベテランらしく「 “ コの字型配棟 ”や“ ロの字型配棟 ”の場合には,中庭周囲の外廊下側にエアコン屋外機や給湯器が設置されております。それらを入居者の多くの方が運転されますと,中庭側に向いている外壁にそれらの運転音が反響致しまして,音が増幅してかなりウルサイのです。特に近年の建築基準法改正に依り24時間強制換気の義務付けの為に吸気口は開けた状態を前提にマンション設計を行うのが設計者としての配慮と思っています。ですので,通常の吸気口だけでは増幅された反響音が住戸の部屋に侵入致し入居者はうるさく感じ嫌な思いを致します。この様な理由で部屋がウルサくならない様に吸気口の外側に消音カバーを設置致しました。 」と答えられました。

この回答を聞きました私にとっては,まさに目から鱗状態です。

私もマンション設計に携わって約30年強ですが,中庭を取り囲む様な「 コの字型配棟 」のマンションを結構設計致した経験が有ります。しかし,私は中庭側外壁の吸気口に「 消音カバー 」を設置する事自体気付かずに怠っていました。私が担当責任者でマンションを設計していた頃は,24時間強制換気は義務付けになっていませんでしたので,多分私が設計した「 コの字型配棟 」マンションの入居者は吸気口を閉じていると思い,設計者としての配慮不足を反省致します。

言い訳になりますが,マンション入居者のクレーム情報が,全て設計者には届かずに管理会社で止まってしまう事が多々有ります。

この設計者の所には過去に設計された,中庭を取り囲む「 コの字型配棟 」のマンションの入居者からのクレームがしっかりと届いていたのだと思います。

ですので,今回の物件に接した時には目から鱗状態になったのだと思います。

この設計者のマンションは「 内覧会 」チェック致しましたら感心する所が多かったので次回に是非その詳細をお伝えし,マンションチェックの参考にして戴きたいと存じます。

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