「購入相談」の適正時期は…。

先日,私に「現地同行」の依頼をされた方の大変可哀相なお話を致します。この方は50歳代後半の独身女性でかなりインテリな方です。

物件名を言えば業界ではかなり有名物件です。以前にもこの物件の「現地同行」を致しましたが以前の方は南側の棟でした。今回依頼者の棟の設計図書を見ましたら唖然としてしまいました。同じ敷地内に3棟配置されていましてその真ん中の棟でした。

真ん中の棟の設計図書を見ましたら南側の棟と同じ物件とは思えない程,構造から仕様に至るまで質を落としており全く違う物件の様でした。

またリビングの向きも北西向きで,1年中陽が当らない住戸でした。立地は山手線の駅より徒歩4分ですがあまりにも南側住棟との建物の質の格差が大きく単価の格差は少ないのでびっくり致しました。

早速,私のチェックリストに記入して総合点を計算いたしましたら,かろうじて及第点でした。前回の依頼者の南側棟は同じ物件でも「優」でした。

これらを依頼者に報告致しましたら,「この物件の購入は見合わせます。」との返事でした。
これで一件落着かと思い,一服していましたら依頼者が「もう契約済みで先月支払った手付金400万円強は戻ってこないでしょうね?」と私に言ってきました。更に「どうせ戻ってこない400万円ですから,内覧会までキャンセルせずに碓井さんに内覧会同行も御願い致します。高い授業料ですが次回マンションを購入する時の勉強になりますので。」と言われたのには度肝を抜かれました。

その上「内覧会時点で落胆し,キャンセルして手付金が戻ってこないより気分は良いですよ。」と言われその依頼者の達観ぶりには感動してしまいました。

この方の様な依頼者は私にとって初めての経験でしたが何か爽やかな気分で「現地同行」を終了できました。

しかし,ほとんどの方は契約して手付金を支払った後,物件の致命的な悪い所を述べても止む無く購入してしまいます。

私に「購入相談」や「現地同行」を依頼して下さる方に申し上げたいのは,契約以前で手付金を払った後では「売主の体質」「物件の質」「工事会社の体質」等の真実を本音で申し上げられなくなり,お互いに不幸です。

私に高い料金を払って目に見えない「コンサルティング(知識)」を買う方はほとんどの方がインテリで民度の高い人です。日本人は物を買うのにはお金を払いますが「目に見えないコンサルティング(知識)」にお金を払う大切さを判っている人はほんの一握りの人です。

そういう一握りの人でも失敗してしまうのですから,これからマンション購入を検討されている方々に申し上げたいのは,もし私に「購入相談」や「現地同行」依頼を予定していただいているならば絶対に契約前に依頼メールを下さい。

そして契約前に御会い致しましょう。
それでこそ私に払ったお金が生きてくると思います。

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