和室がどんどん無くなっています…。

私は10年以上前から分譲マンションの住戸に和室は無くなっていくと多くのデベに進言していました。

今,まさにその進言が当り,そのトレンドが進んでいます。ちなみに,このコラムの最初の頃( 2005年 )に34号で「 オール洋室の3LDKの方が良い。 」と書いています。

それが年々現実化しまして,近年の新規分譲マンションの住戸間取りチェックをしていますと,最近の3LDK住戸はほとんど和室が無くなっています。

この傾向は1998年( 平成10年 )頃より,関東の財閥系の分譲マンションで始まりました。その当時は分譲マンションの3LDK住戸で和室を無くし,オール洋室にするのはかなり冒険でした。

やはり,日本人には「 畳 」信仰が未だにあり,和室の無い住戸を分譲するのはかなり,リスキーで当時,販売サイドは常に反対でした。

以前( 2000年まで ),在籍していた設計事務所がマンション設計を受注後,私がデベの商品企画会議に出席した時に「 オール洋室の3LDK 」を数社のデベに提案致しましたが,販売サイドから反対されて,なかなか採用されませんでした。

当時,あるデベは私に「 顧客に和室6帖を洋室に変更するセレクトプラン方式ならば,試してみる価値がありますので,やってみましょう。 」と言われて「 オール洋室の3LDK 」の住戸プランを作った事がありました。

その分譲マンションは総戸数70戸強程度の中規模マンションでしたが,販売後2ヶ月で完売し,購入者の約70%( 50戸弱 )の方が「 オール洋室の3LDK 」をセレクト致しました。

セレクトプラン方式は早く販売し,契約致しませんと不可能な住戸が出てきます。その理由は建設工事はどんどん進みます。ですので,全体工期の約1/3位の日数が経過致しますと,購入者のセレクト可能住戸が上層階のみになってしまうのです。

先程のマンションは全体工期が12ヶ月で着工後約2ヶ月強で完売致しましたので,購入者全ての方の「 和室か洋室のセレクト 」「 住戸内のカラーセレクト 」や「 キッチンの高さのセレクト 」等の受け入れができました。

話は元に戻しまして,最近「 オール洋室の3LDK 」住戸が増えた理由を私なりに再度考えてみました。

その結果,手前味噌になりますが「 オール洋室の3LDK 」住戸が増えた理由を検証致しますと,このコラム34号の「 オール洋室の3LDKの方が良い。 」に書いた内容通りでした。

更に,追加の理由としては,2つ考えられます。まず1つ目は,住戸のプランニングが「 3・6( さぶろく:3尺×6尺 )モジュール 」から「 メーターモジュール 」に移行して廊下やトイレが若干広くなり畳寸法の必要性が無くなった事の結果だと思われます。「 3×6モジュール 」はヒューマンスケールが使われ人間的な寸法なのです。ですので,この「 3×6モジュール 」で廊下やトイレを広げた方が使い勝手は良いのですが,今の若い設計者は1尺が何センチ何ミリかも知らない人が多いので「 メーターモジュール 」を使用して住戸プランを作成する様になったからなのです。「 メーターモジュール 」は無機質なスケールを用いたもので私個人的には「 住まい 」には使いたくないものです。ちなみに1尺は約30.3センチです。

2つ目の理由は,日本がこれから更に「 高齢化社会 」になって入居者が高齢化し,介護等が必要になりますと,要介護の老人を和室に寝かせるわけにはいきません。洋室に介護用のベッドを置けなければ,うまく介護できませんので,それも「 オール洋室の3LDK 」が増えた一因だと思われます。

近年,リフォーム済み中古マンションの住戸でも,ほとんど和室は無くなっています。

そして,更に2億円以上の「 億ション 」の住戸プランを見ますと,和室は全くと言っていいほど存在していません。

新規分譲マンションでも「 首都圏 」の外周部の物件では,まだまだ「 オール洋室の3LDK 」は少ないですが,今後はどんどん増えていくと思われます。

さてここで「 オール洋室の3LDKの方が良い。 」の理由が詳しく述べてあります34号のURLを下記に記しましたのでクリックして御覧下さい。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/34

「 和室がどんどん無くなっている。 」主な理由は34号で申し上げた内容だと思っております。これから10年以内には,新規分譲マンションの3LDK住戸には和室はほとんど無くなると思います。この事は購入後,将来のリセールバリューにも関連いたしますので,和室にこだわりの無い方はマンション購入時には「 オール洋室の3LDK 」住戸を選んだ方が良いかと思います。

PS:「マンガでわかる・コワ~い不動産の話」( 宝島社 ムック本 )が先日発売され,私のコメントが沢山載っています。お読み戴ければ幸いです。

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