入居者へ配慮無しの住戸プランに唖然

今回は,購入者( 入居者 )への配慮が全く感じられないタワーマンションの話を致します。

まず,立地から御説明致します。最寄り駅は人気ブランド沿線の急行停車駅です。最寄り駅より徒歩10分弱の場所です。そこまでは良いのですが,上部に首都高速道路がある国道に接している土地なので外部騒音はかなりうるさく,排気ガスが常に蔓延している所です。

売主,設計事務所や建設会社は超大手一流会社です。ちなみに今まで私は「 購入相談 」で依頼者から「 碓井さんお奨めの売主,設計事務所や建設会社はどこですか? 」と聞かれた場合には常に,この物件の売主,設計事務所,建設会社の名前を言っていましたので,何か裏切られた気持ちです。

物件概要は鉄筋コンクリート造地上30階地下1階建でアウトフレーム逆梁工法です。
総戸数は160戸弱です。住戸タイプは1LDKから3LDKまでです。住戸価格は約4000万円弱から9000万円強です。販売坪当り単価は私の計算では約300万円/坪~400万円/坪強です。

前置きの物件説明が長くなりましたので,本題の「 入居者へ配慮無しの住戸プラン 」の御説明を具体的に申し上げます。

住戸プランを見まして,まず唖然と致しましたのが,多くの住戸の洋室外側のバルコニー先端にアウトフレーム逆梁工法なので,太い柱が配置されていて,洋室の窓幅の約1/3幅にこの太い柱がかぶっている事です。窓先から柱面までの距離は約70センチ強です。窓幅の1/3幅の目の前( 約70センチ先 )に柱が立っているのです。その部屋内から窓を見ますととても鬱陶しいと思いますし,その部分は薄暗くなってしまいます。

価格がかなり高い3LDK住戸の洋室3室の内,2室の窓が上記の状態です。

そして,半数強の住戸のLDか洋室の形状が台形なのです。台形の部屋は家具を配置致しますと,デッドスペースが多々生じ,とても使い辛い部屋なのです。その理由は家具は工場生産品ですので四隅が直角だからです。

住戸プランを更に良く見ますと,半数近くの住戸のLDの窓がFIX窓( 嵌め殺し窓 )なのです。私の推測では国道や首都高速道路の騒音がLD内に入って来ない様にしたのでは
ないかと思います。しかしLDの窓が開かないのはとても,息苦しいものです。

住まいに大切なのは機械換気より通風だと思います。高級シティホテルの客室はほとんど窓が開かない様になっていますが,1週間弱程度の滞在だったら我慢できますが,毎日暮らす住戸のLD窓が開かない事は私の許容範囲を超えています。

この物件の住戸プランを見ますと,入居者への気配りが全く感じられません。
ただ,高価ですので設備仕様は満艦飾でした。

本来,分譲マンションは立地や住戸プランの良さで売るのですが,この物件は設備仕様の良さを売り物にし,本末転倒です。

この売主の分譲マンションは,今までは立地や住戸プランが良く,とても評価が高かったのですが,これで一気に潜在顧客の信用を落とした感が致します。信用を落とすのは一瞬ですが,回復するには10年かかります。

尚,昨日行なった「 購入相談 」ではメインの相談物件はこの物件では無かったのですが,
依頼者の方より,もう一つの相談物件として,「この物件の感想は?」と聞かれましたので「 私はこの物件は住戸プランに入居者への配慮が欠けていますのでお奨め致しません。 」と回答致しました。

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